26年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)のフィギュアスケート競技を締めくくる最終種目、女子フリーが日本時間の20日午…
26年ミラノ・コルティナ五輪(オリンピック)のフィギュアスケート競技を締めくくる最終種目、女子フリーが日本時間の20日午前3時(現地時間19日午後7時)から始まる。冬季大会の華として高い人気を誇るフィギュアは、防寒着やレーシングスーツが大半の中、美しく輝く、色とりどりの衣装でも観客、視聴者を魅了する。
その衣装代とは-。米フォーブス誌が、ショートプログラム(SP)3位のアリサ・リュウ(20=米国)を例に、コスチュームに関わる金銭事情を特集した。
同誌によると、パフォーマンス機能と美的感覚を適切に両立させたフィギュアスケートの衣装は、染色、塗装、裁断、縫製に150時間を要し、ミラノの氷上に立つ選手たちの衣装価格は8000ドル(約124万円)に達するという。
前回22年の北京五輪後、引退し、ブランク2年間をへて世界女王に上り詰めたリュウの場合、金メダルを獲得すれば「莫大(ばくだい)な報酬を手にする」。米国オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)から3万7500ドル(581万2500円)の褒賞金が支給されることを紹介した上で「しかし」と続けた。
「大半の冬季五輪選手にとっては十分な報酬となる金額だが、彼女は、軽視されがちな支出に既に大金を投じている。『衣装代に充てられるだけですよ』とロサンゼルス在住のデザイナー、リサ・マッキノンは笑いながら語った」
マッキノン氏は過去1年間でリュウに6着の衣装を提供しており、通常は1着あたり3500ドル(54万2500円)から8000ドル(124万円)を選手に請求しているという。五輪用の衣装は価格帯の上限に近く、ほとんどの選手がSP、フリー、エキシビション用の3種類を持ち込むため、シーズンを通して多大な負担になっていると指摘した。
マッキノン氏は時給換算で90ドル(1万3950円)を請求し、過去1年間で60~70着を制作した。1着にかかる平均的な作業時間は約50時間という。
また、ミラノ・コルティナ五輪で26人の選手を担当したマシュー・キャロン氏は1時間当たりの料金が35ドル(5425円)と手頃なものの「納期が80~150時間と、やや長い」といった舞台裏に踏み込んだ。
キャロル氏は、団体で金メダル、アイスダンスで銀メダルを獲得したマディソン・チョック&エバン・ベーツ組の衣装も担当。その「チョクベイ」組は年間の合計収入が100万ドル(1億5500万円)を超えるとみられており「例外」とされた一方、前回22年の北京五輪で米国の団体金メダルに貢献したカレン・チェンが、キャリアの大半を母親が制作した衣装で滑っていた、との過去報道を引用し、手作り衣装にかかった費用は1着当たり1000~1500ドル(15万5000~23万2500円)だったとも伝えている。
この特集に「サトミ・イトウ」として登場している日本一高名なデザイナー、羽生結弦さんやイリア・マリニン(米国)の衣装を手掛けたことで知られる伊藤聡美さんは、X(旧ツイッター)で「日本フィギュアスケート界で1番高い衣装屋と悪名高き私の衣装がめちゃくちゃ安く感じる。個人的にこの記事内の値段は妥当だと思う」とポストした。
このように衣装も注目される女子は、この後、決戦の時を迎える。17日(日本時間18日)のSPを終え、初出場17歳の中井亜美(TOKIOインカラミ)が78・71点で首位。今季限りの現役引退を表明し、万感の五輪ラスト演技を迎える坂本花織(25=シスメックス)が1・48点差の2位で追う。4位の千葉百音(20=木下グループ)もトップと4・71点差、メダル圏内3位と2・59点差につける。
昨年12月のグランプリ(GP)ファイナルで、銀の中井たちを破って優勝したリュウは3位から出る。今回は中井を2・12点差で追うが、本人は「メダル? そんなものいらない。この瞬間を大切にしたい」。特集にあったように金メダルなら褒賞金も手に入るが、無頓着に大舞台を楽しむ姿勢を見せている。