ミラノ・コルティナ五輪スノーボードで日本勢は、4個の金を含む過去最高を大幅更新する9個のメダルラッシュに沸いた。メダル…
ミラノ・コルティナ五輪スノーボードで日本勢は、4個の金を含む過去最高を大幅更新する9個のメダルラッシュに沸いた。メダル数は他国を圧倒する結果に。日本チームの西田崇ヘッドコーチ(50)は「今回のスロープスタイルは完璧な滑りを決めた人が勝てる競技だった。(降雪で)スピードが遅いので、(体格で海外勢に劣る)日本は不利な状況でトリックを変えながら、このコースや状況に合わせた滑りができていた」と振り返った。
日本の強さを支えた1つの要素として、練習の中でバイオメカニクス(生体力学)を活用したことがある。ここ数年、スノーボード界は「高回転時代」といわれ、技の回転数が年々、上がっている中、22年北京五輪後から日本チームとして取り入れた。これまで、コーチの「感覚」で指導していたものを、医化学センターと協力してデータ分析した上で、確かな根拠を示しながら指導している。
夏場のエアマット練習施設では、選手の足に約30万円する側圧センサー機器を装着して収集した足裏の数値や滑りのスピード、スピンのかけ方などのデータを細かく分析。親指に何%の力を加えれば、技を回しやすいなど数値で答えを出し、選手に落とし込む。西田コーチによると、世界で取り入れる国は他にもあるが、日本は先駆けて細部までデータ化しているという。
ここ15年ほどで世界に先駆けてエアマットの練習施設が日本全国に広がり、回転技を習得するペースが上がった。雪上ではけがのリスクがあって大技を打つことも簡単ではなかったが、夏場に回し方を体に落とし込み、雪上で試すという流れができたことも大きい。
男子ビッグエア金メダルの木村葵来(21)=ムラサキスポーツ=は「オフシーズンの練習環境やコーチの教える技術が年々、進化している」と言う。緻密(ちみつ)なデータ分析と充実した環境が、スノボードを日本の新たな“お家芸”へと押し上げた。(宮下 京香)