スピードスケート女子で今大会3つの銅メダルを獲得した高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が、本命種目に挑む。20日(2…

スピードスケート女子で今大会3つの銅メダルを獲得した高木美帆(31=TOKIOインカラミ)が、本命種目に挑む。

20日(21日)、過去2大会連続銀メダルの1500メートルに臨む。500、1000メートル、団体追い抜きで銅メダルを獲得し、五輪通算10メダルに到達。大会終盤で調子は上向き、今季W杯4勝の強敵ヨイ・ベーネ(オランダ)が不在の追い風も吹く。世界記録を持つ、最後の種目を金メダルで飾る。

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3回、表彰台に乗っても、高木の視線は1500メートルに向いていた。17日(日本時間18日)の団体追い抜きで銅メダルを獲得しても、喜びは控えめ。「目指すところはずっと変わらず3年前から持っている。ただ1点を見つめて、レースに挑みたい」。本命種目の金メダルだけを視界に捉えた。

世界記録保持者として「1500メートル金」だけが、高木を突き動かしてきた。22年北京五輪までに7個のメダル。前回は1000メートルで金メダル。初めて個人種目で頂点に立った。栄光を手にし、現役を退く思いもあったが、やり残したことがあった。26年五輪に向け、23年春に「ミラノの1500メートルを取りに行くのが一番の目標」と決意を固めた。新チームを結成し、自らスポンサーを探して練習環境を整備。男子海外選手も招聘(しょうへい)し、実力者の背中を追いかけて力を蓄えた。

決して順調な歩みではなかった。昨年8月、今季開幕前に自身の状態を「宙ぶらりん」と表現した。「これまでと全然違う五輪シーズン。この時期に試行錯誤したことはない」。使う道具も、滑り方も定まらなかった。それでも「1500メートルで強くなるためなら、1000メートル、500メートル、チームパシュートにも全力で取り組む」。短距離、長距離の両面がある本命種目のために他の種目で戦った。その結果、ミラノですでに3メダル。個人10メダルの大台にも到達し、最終種目へ完全に調子を取り戻した。

今季はW杯で1勝のみ。残り4戦はベーネに頂点を譲った。しかしライバルは国内選考会で敗れた。落選を知り、五輪への思いを再確認した。「確実と言われる人ですら行けない場所。五輪は特別だと強く感じた。だからこそ、本気で勝ちに行きたい」。舞台は整った。今回こそ1500メートルで頂点に立つ。【飯岡大暉】

▽高木の過去の五輪1500メートル

◆10年バンクーバー五輪 中学3年の15歳で初出場し、2分01秒86で23位。金メダルは1分56秒89でイレイン・ブスト(オランダ)。

◆18年平昌五輪 1分54秒55で銀メダル。五輪で初めてメダルを獲得して、うれし涙を流した。金メダルは1分54秒35でイレイン・ブスト(オランダ)。

◆22年北京五輪 金メダル候補として臨み、1分53秒72で2大会連続銀メダル。悔しそうな表情を見せた。金メダルは五輪新記録1分53秒28で、2大会連続でブスト。