(18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉アルペンスキー女子回転) 2回合計で2位に1秒50差という「圧勝」…

 (18日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉アルペンスキー女子回転)

 2回合計で2位に1秒50差という「圧勝」でアルペンスキー女子回転の頂点を射止めたのはミカエラ・シフリン(米)だった。

 今季のワールドカップ(W杯)のこの種目で7勝と他の追随を許さない。順当すぎる金メダルだが、記者会見では「いつも楽なわけではない。不可能に感じることもある」と漏らし、「今日は全ての雑音をはねのけ、シンプルに向き合えた」と振り返った。

 アルペンスキーで男女を通じて歴代最多のW杯108勝を誇る30歳の女王にとって、2022年の北京五輪は失意の連続だった。20年2月、五輪は必ず現地で見守ってくれた最愛の父ジェフさんを不慮の事故で亡くした。65歳だった。

 亡き父への思いが気負いを生んだのか。3大会連続金メダルを有望視されながら、メダルはゼロ。個人5種目のうち三つは途中棄権に泣いた。

 今大会もここまで大回転は11位、女子団体複合では自身が大ブレーキで4位。シフリンを批判する論調も一部にあったが、「SNSは見なかった」。常に優しく見守ってくれる母、恋人、チームスタッフと話すことに、時間を割いたという。

 18年平昌の大回転以来となる金メダルを手にし、亡き父に触れた。

 「父のいない人生は望んでいない。でも、もしかしたら、ようやく今日、その現実を受け入れられたのかもしれない」

 回転での金メダルは、18歳でつかんだソチ以来、12年ぶりだった。(稲垣康介)