◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(18日・リビーニョ・スノーパーク) 【リビーニョ(イタリア)18日=宮下京香】…
◆ミラノ・コルティナ五輪 ▽スノーボード(18日・リビーニョ・スノーパーク)
【リビーニョ(イタリア)18日=宮下京香】女子スロープスタイル決勝が行われ、初出場の19歳・深田茉莉(まり、ヤマゼン)が冬季五輪日本女子史上最年少で金メダルに輝いた。3回目に87・83点をたたき出し、今大会の日本選手団では1998年長野大会に並ぶ史上最多5個目の金メダルを手にした。ビッグエア金の村瀬心椛(ここも、21)は銅メダル。男子の長谷川帝勝(たいが、20)=ともにTOKIOインカラミ=の銀メダルと合わせ、金、銀、銅を集め、スノーボードの日本勢勢は今大会9個目のメダルと大躍進した。
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兄・渚さん(22)は、9日のビッグエア(BA)、18日のスロープスタイル(SS)を妹のレースを現地で見守った。「『おめでとう』と伝えました。一番近くで見てきたので、僕の中では、茉莉が一番努力していると思っている。努力が報われて良かった。サポートしてこられて良かったです」と笑顔でたたえた。
深田は両親の影響を受け、幼少時より3歳上で双子の兄・渚さんと姉・遥さんと一緒にスキーに励み、2人がスノーボードを始めると続いた。当時2歳。当初はすいすい先を行く兄と姉について行けず、悔し泣き。深田を待ってあげても「それが悔しくて逆に嫌になったのか、また泣く。本当に負けず嫌い」と振り返る。
兄が都内の大学に進んだことを機に、深田は通信制の高校に進学。愛知の親元を離れ、練習拠点の埼玉に転居した。指導者になる夢を持つ兄は、大学に通いながら同居して支えた。朝7時から夕方4時頃までみっちり練習する深田が帰宅すると、栄養満点の手料理で迎えた。「女子選手はウェートがないと、滑りに速度が出なくて技が出しにくい。当時茉莉はやせていた。皿いっぱいによそって食べてもらうよう頑張った」。栄養も考え、サラダに鶏の胸肉を使った献立を考えた。
掃除や洗濯など家事全般も兄。「僕も高校の頃まで親に支えてもらっていたので(2人分の)家事は大変。最初は頭がパンクしそうで、しんどいこともあった。茉莉も練習から疲れて帰ってくることが多かったから。でも僕が疲れている顔をしたら洗い物をやってくれたり、兄としてはうれしかったな」と支え合った。深田は会見で「自分が一番親のお金を使ったと思う。でも兄弟は私のことを応援してくれた」と感謝を述べた。「BAは悔しい思いをしたと思う。4年後はどっちも金メダルの目標を後押ししたい」と渚さん。献身的な兄の存在なくして、ニューヒロインは語れない。(宮下 京香)