宮崎合宿が行われているサンマリンスタジアム内にお目見え 来月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で大会連覇を目…
宮崎合宿が行われているサンマリンスタジアム内にお目見え
来月のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)で大会連覇を目指す野球日本代表「侍ジャパン」のために、画期的な“仮眠室”が設置された。宮崎合宿(今月14-24日)が行われている「ひなたサンマリンスタジアム宮崎」内の一室に設けられた「リカバリールーム」がそれ。着るだけで血行促進・疲労回復の効果があるリカバリーウェアなどを企画・製造・販売している株式会社TENTIALが提供した。貴重なリラックススペースとして利用する選手が増えている。
ドアを開けた瞬間、アロマの香りに包まれ、ほの暗い照明、心地いい温度によって、体から疲れが抜けていくのを感じる。そこにはドアの向こうのグラウンド上とは、別世界が広がっている。
「リカバリールーム」には、広い空間の手前にリラックスして座れるベンチが置かれ、その奥にビーズクッションが置かれたスペース、リクライニングチェアの上で足を伸ばせるスペースなどがある。一番奥にはベッドが置かれ、カーテンを閉めればゆっくり睡眠を取れるスペースになる。
ひと昔前には、スポーツの試合前に仮眠を取るなどもってのほか、「体がなまって思うように動けなくなる」と言われたものだ。ところが、TENTIAL広報室の吉本慎之介室長は「最近は15~30分の仮眠がアスリートのリフレッシュに有効であることが知られています。この合宿に参加している選手の多くもご存じで、試合前に仮眠を取り入れていると聞いています」と語る。
すでに合宿参加選手の6~7割が1回以上「リカバリールーム」を訪れ、特に源田壮亮内野手(西武)は毎朝ここで仮眠を取ってから練習を始めているとか。中村悠平捕手(ヤクルト)は練習後に仮眠するのが日課で、17日には約30分をかけたという。
TENTIALは昨秋の「木下グループジャパンオープンテニスチャンピオンシップス2025」で、初の試みとして同様のリカバリールームを設置。使用した選手の91.7%から最高評価を得ていた。
睡眠や休憩に適した温度、明るさ、色見、匂い、音にまでこだわり尽くした
「スポーツの試合の前後に仮眠を取ることは、最近4、5年のトレンドで、ビジネスの世界でパワーナップ(積極的仮眠)を推奨している企業が増えているのと同様です。仮眠スペースを設けている施設も増えました。しかし、ベッドがポンと置いてあるだけ──といったところが多いのが現状です」と吉本室長。
ベッドのマットレスに特化した施設はあっても、このリカバリールームのように、睡眠や休憩に適した温度、明るさ、色見、匂い、音までこだわり尽くしたものは前例が見当たらない。吉本室長は「わが社が睡眠を改善する製品をつくってきた中で得た知識を使えば、よりより仮眠・休憩スペースをつくれるのではないかと考えたのがきっかけでした」とうなずく。
使用した選手からは「自分の所属球団にも、こういうものが欲しい」、「これほど広くなくていいから、スペース1つだけでもいいから是非ほしい」との声が挙がっている。ドジャース・大谷翔平投手も睡眠を大事にすることで知られる。文字通り日本を代表する選手が集まっている合宿だけに、リカバリールームの考え方が球界全体に広がっていく可能性は十分ありそうだ。(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)