【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返るきさらぎ賞【Pick Up】ゾロアストロ:…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返るきさらぎ賞
【Pick Up】ゾロアストロ:1着
現3歳世代のなかでモーリス産駒の重賞勝ちは初めて。過去、4歳以降にモーリス産駒が勝った重賞は、13勝すべて芝1800〜2200mのレンジに収まります。一方、3歳時に勝った重賞は、8勝中6勝が芝1600m以下。皐月賞や日本ダービーを射程に入れるような芝中距離重賞を勝ったのはゾロアストロが初めてです。
クラシックレースを含む3歳限定の芝GIレースで、これまでモーリス産駒は20頭出走して一度も連対を果たしていません。したがって、クラシックと縁遠いというイメージが否定できなかったのですが、ゾロアストロはそれを覆していく可能性を秘めています。
「モーリス×ディープインパクト」は、ジェラルディーナ(エリザベス女王杯、オールカマー)、ディヴィーナ(府中牝馬S)、アルナシーム(中山金杯、中京記念)など6頭が重賞を勝っているニックス。
ドイツ産のナイトマジックのファミリーは、これまでグレートマジシャン(毎日杯2着、日本ダービー4着)が出世頭で、出走10頭中9頭が勝ち上がっています。同じ3歳世代には黄菊賞を勝ったノチェセラーダがいます。平地重賞を勝ったのはゾロアストロが初めて。「モーリス×ディープインパクト」の組み合わせは京都芝1800mで連対率27.8%と好成績を挙げています。
◆血統で振り返る東京新聞杯
【Pick Up】トロヴァトーレ:1着
レイデオロ産駒は、中山金杯を勝ったカラマティアノスに次ぐ今年2頭目の重賞勝ち。トロヴァトーレ自身は昨年のダービー卿CT以来となる2つめの重賞勝利です。デビュー2戦目の葉牡丹賞を勝ったあと、騎乗したビュイック騎手が「ダービー候補」と絶賛しただけのことはあります。
母シャルマントの半姉ディアドラは、秋華賞とイギリスのナッソーSを勝った名牝。同じく半弟のフリームファクシはきさらぎ賞の勝ち馬。3代母ソニンクのファミリーは、他にダービー馬ロジユニヴァースやマイルGIを3勝したソングラインなど多くの活躍馬を出しています。
レイデオロ産駒は、産駒の平均馬体重が456kgとかなり小さく、それがウィークポイントでもあるのですが、トロヴァトーレ自身は510kgと大柄で、体格的な不利はありません。大きめの馬格を伝える母の父エンパイアメーカーの影響でしょう。
ちなみに、レイデオロとエンパイアメーカーを組み合わせると、トライマイベスト=エルグランセニョール5×4という全兄弟クロスが生じます。これは牝馬三冠馬リバティアイランド、ブラストワンピースの母ツルマルワンピースと同パターンで、女傑アーモンドアイもトライマイベスト≒ロッタレース5×2という4分の3同血クロスを持っています。注目したい組み合わせです。
「レイデオロ×エンパイアメーカー」の組み合わせは、出走6頭中4頭が勝ち上がり、他にユニコーンSで5着となったムルソー(通算9戦6勝)が出ています。この組み合わせの連対率は41.5%、1走あたりの賞金額は763万円ですから、ニックスといえるでしょう。