ミラノ五輪のノルディックスキー・ジャンプ混合団体が10日(日本時間11日)、プレダッツォ・ジャンプ競技場で行われた。日本…
ミラノ五輪のノルディックスキー・ジャンプ混合団体が10日(日本時間11日)、プレダッツォ・ジャンプ競技場で行われた。
日本は丸山希、小林陵侑、高梨沙羅、二階堂蓮のメンバーで臨み、合計1034.0点で銅メダルを獲得。4年前の北京五輪で失格となった高梨が、涙の雪辱を果たした。
3番手で登場した高梨は、1本目に96.5メートルを飛んで日本を3位に押し上げた。課題としてきた飛型点も個人戦より伸ばし、順位を確認すると笑顔でカメラに手を振る。
2本目も97メートルの好ジャンプ。丸山、小林とハイタッチを交わし「ごめんなさい」と呟いたが、しっかりと仕事を果たした。アンカーの二階堂のジャンプで表彰台を決めると、高梨は両腕を突き上げて歓喜。4位ドイツとの差はわずか1.2点、距離にして約50センチの接戦を制した。
2022年2月7日。北京五輪の混合団体で、高梨は103メートルの会心のジャンプを見せた後、スーツ規定違反で失格となった。2本目は98.5メートルとまとめたが、感情を抑えきれずランディングゾーンで泣き崩れる。日本は4位に終わり、メダルに届かなかった。
責任を背負い込んだ高梨は、自身のインスタグラムに真っ黒な画像とともに謝罪文を掲載。一時は引退も考えたという。スロベニアの自宅に戻ると、部屋から一歩も出られなくなった。2週間後、重い扉を押し開け、たどり着いた湖の光景を今も忘れられない。「太陽が当たるって、こんなに幸せなんだ」。その時、ほんの少しだけ、もう一度飛ぶ勇気が戻ってきた。
それから4年。高梨は試行錯誤を繰り返し、この日を迎えた。
試合後のインタビューで、高梨は開口一番「みんなのおかげです」と語った。「一緒に飛んでくれた仲間、日本チームのみなさんのおかげで練習、個人戦以上にいいジャンプができた」と感謝を口にする。
チーム戦への苦手意識があったという高梨。「毎回、足を引っ張ってしまう試合が多くて。選ばれた時は自信もなくて、コーチに相談したこともあった」と心境を明かした。それでもトレーニングで自信を持ち、試合に臨めた。「自分だけの力じゃなく、本当に周りのみなさんの支えがあって、メダルを取れて本当に感動しました」。声を震わせながら続けた。
4年前のメンバーだった伊藤有希、佐藤幸椰への思いにも触れた。「あの時、一緒に飛んでくれた有希さんと幸椰さんと、取ることができなかったメダルを、今こうして取ることはできた。ずっと応援してくれる有希さん、幸椰さんのおかげで今ここに立たせてもらっている。自分の取ったメダルではないと思いますが、たくさんの方々の力があって取れたメダルです」
「間違いなく今日のメダルが人生で取ったメダルで一番嬉しい。すごく幸せな日」。高梨はメダルを優しく握りしめた。
悪夢から1465日。諦めなかった高梨の挑戦が、ついに実を結んだ。4度目の五輪で手にした銅メダルは、仲間とともにつかんだ輝く勲章だ。