(9日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート女子1000メートル) スピードスケート女子1000…

 (9日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート女子1000メートル)

 スピードスケート女子1000メートルで銅メダルを獲得した高木美帆(TOKIOインカラミ)は偽らざる気持ちを語った。「苦しいシーズンを過ごしていたので、ここまで来られたことに対する安堵(あんど)は少なからずある」

 これまでワールドカップで通算38勝を積み上げてきた。だが、今季に限れば1500メートルと1000メートルでの計2勝にとどまる。

 15歳で初めて五輪に出場し、世界のトップレベルで戦い続けてきた高木も31歳を迎えた。左回りしかないコースで、遠心力に耐えながら長年厳しいトレーニングを重ねてきた影響は隠せなくなっている。「姿勢の左右差があったり、筋肉が張る部位が左右の足で違ったりもする。ひざへの負担の蓄積もあるなと」

 30代に入った昨季からは終盤のペースダウンが目立つようになった。この日のレースも200メートルは全体2番目のタイムで通過。その後の2周で上位2人に引き離された。

 肉体の変化にあらがい、かつてのスケーティングを取り戻そうと試行錯誤を続けてきた。北京五輪後に一度は変えたブレード(刃)を元に戻した。滑りの要素の一つひとつを分析しながら、改善点を洗い出した。

 かつてのような右肩上がりの成長は見込めない。五輪直前には「ここ数年ずっと、完璧に仕上がってレースに挑む感覚はあまりない」と漏らしていた。好調と不調の一進一退を繰り返した先にたどり着いた自身4度目の五輪。3大会連続となる表彰台は死守した。

 ほっとした気持ちを抱いたのは、つかの間だった。

 「この悔しさをもう一度、もうひとステップ上がっていける糧にしていきたい」

 平昌五輪以来の金メダルがかかる団体追い抜き、悲願の金メダルを狙う1500メートルへ向け、自らを奮い立たせていた。(松本龍三郎)