6日に発表されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表の最終メンバーで、最も注目を集めたのは、選出された選…

6日に発表されたワールド・ベースボール・クラシック(WBC)韓国代表の最終メンバーで、最も注目を集めたのは、選出された選手以上に代表メンバーから外れた存在だった。
最速161キロを誇る右腕・ムン・ドンジュ(ハンファ)が、右肩の痛みを理由に代表から外れたためだ。

 所属球団は精密検査の結果について「右肩に炎症があり、痛みを伴っている。管理と休養が必要との診断を受けた」と説明。代表チームも、現時点で万全なコンディションを見込むのは難しいと判断し、メンバーから外す決断を下した。

 しかし、その後の報道は単なる「負傷による離脱」にとどまらなかった。
韓国メディア『スポティビニュース』は、一部で「本人が大会出場を避けたのではないか」といった見方まで出たと伝え、「兵役が絡む大会であれば、同じ判断をしただろうか」とする反応も紹介した。

 ただし、同メディアは「前後の事情を総合すれば、選手にとってあまりにも酷な見方だ」と指摘し、「本人にとって今回のWBC出場は極めて重要な意味を持っていた」とも伝えている。

 実際、この右腕はWBC出場を見据え、例年よりも早いペースで調整を進めていたとされる。痛みを抱えながらもブルペン投球を行うなど、出場への強い意欲を見せていた。
国際舞台での活躍は、自身の価値を世界に示す機会であると同時に、キャリアの分岐点となり得る場でもあった。

 同メディアはまた、今回の離脱によってFAおよびポスティング資格取得を早める機会も失われたと伝えている。KBOリーグには国際大会の成績に応じて資格取得期間を短縮できる独自の制度があり、デビュー年の一軍登録日数が不足していたこの投手にとって、WBCはそれを補う最も現実的な機会だった。

 それでも最終的に、右肩の状態を理由にこの舞台に立つことは叶わなかった。準備の過程で負ったリスクや、出場できなかったことによる損失を考えれば、今回の離脱を「意欲の欠如」や「本人の選択」と捉えるのは難しい。

 しかし一部の韓国メディアの関心は、選手の現在の状態やキャリアへの影響ではなく、次の国際大会で担う「役割」へと移っていった。

 一部報道では、この右腕はすでに杭州アジア大会の金メダルによって兵役特例を受けているにもかかわらず、「次のアジア大会で兵役特例を完成させるための重要な戦力」として再び言及されている。
負傷によりWBC出場が叶わなかった状況下でも、このエースは改めて兵役をめぐる文脈の中で語られている。

 実際、あるメディアは「代表復帰は早ければ9月の愛知・名古屋アジア大会になる可能性がある」とし、「負傷から回復し、レギュラーシーズンで結果を残せば、代表に選ばれない理由はない」と報じた。
さらに「すでに兵役特例を得ているが、万全であれば後輩たちの兵役問題を救う“合法的な兵役ブローカー”の役割を果たせる存在だ」といった表現も登場している。

 こうした一連の報道は、この右腕を再び「兵役特例をもたらす『切り札』」として位置づけている。
高校卒業後すぐに即戦力として起用され、国際大会の成果が兵役問題と結び付けられてきた韓国野球の構造の中で、これは最速161キロを誇るエースが直面している現実の一断面と言える。