(9日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート女子1000メートル) 高木美帆がスタートラインにつ…

 (9日、ミラノ・コルティナ冬季オリンピック〈五輪〉スピードスケート女子1000メートル)

 高木美帆がスタートラインにつく時点で、自身の2連覇には高い壁が立ちはだかっていた。

 前回大会で樹立した大会記録を、2組前に滑ったフェムケ・コク(オランダ)に0秒60塗り替えられていた。

 31歳の高木が再び表彰台の頂点へ駆け上がるには、少なくとも4年前の自分を超える必要があった。

 迎えた最終組。最初から飛ばした。200メートルまでのタイムはコクに次ぐ全体2番目の速さ。だが、同走したユタ・レールダム(オランダ)に先行されると、その背中は遠のく一方だった。最後は1秒64もの大差をつけられ、金メダルをさらわれた。

 今回と同じ銅メダルだった平昌五輪から3大会連続の表彰台だ。五輪通算8個目となるメダルは手にしたものの、表彰台では喜ぶでも悲しむでもなく、淡々とした表情を見せた。「完敗だった。銅メダルを見て、この色が今の私の実力だと思った時に、やっぱりゴールした直後よりも悔しさがわき上がってきた」と言った。

 それでも、自身4度目の祭典は始まったばかりだ。2大会ぶりの王座奪還を狙う団体追い抜きに加え、本命の1500メートルがこの先に控えている。

 「このままでは終わらせないと決意した。ミラノに入ってからスケーティングが少しずつ良くなっている感覚がある。まだまだいけると強く信じて進んでいきたい」

 この種目では8年ぶりに味わう「五輪での敗北」が、闘志をかき立てたようにも映った。(松本龍三郎)