涙の失格から4年、雪辱を果たす時が来た。高梨沙羅(29=クラレ)が10日にプレダッツォ・ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS…
涙の失格から4年、雪辱を果たす時が来た。高梨沙羅(29=クラレ)が10日にプレダッツォ・ジャンプ競技場(ヒルサイズ=HS107メートル)で行われる混合団体のメンバーに入った。8日の公式練習後、金城芳樹ヘッドコーチが日本女子のメンバー2人を発表し、個人ノーマルヒル銅メダルの丸山希(北野建設)とともに選出された。
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前夜個人戦を戦ったノーマルヒルのジャンプ台に、高梨の姿があった。混合団体に向けた公式練習に丸山をのぞく3選手が参加した。高梨は3回のうち2回を飛んで、98メートル、98・5メートルでK点越えをマークした。「この2本、ベストを尽くせた」。公式練習の内容などによって、混合団体に臨む女子2選手を決定。金城ヘッドコーチが「希と沙羅でいきます」と明言した。
種目として初採用された前回の22年北京大会では小林陵侑らと出場した。1番手として臨んだ1回目の飛躍後、スーツ規定違反による失格となり号泣した。憔悴(しょうすい)状態のまま2回目を飛び、日本は4位だった。競技後、自身のインスタグラムに真っ黒の画像とともに「日本チームみんなのメダルのチャンスを奪ってしまった」「私の失格のせいでみんなの人生を変えてしまった」と投稿。自らを責め、競技を退くことも考えたが、現役続行を決意して、4度目の五輪舞台に立っている。
飛躍順は前回と違う3番手に起用される。1番手として好調な丸山が勢いづけ、そのバトンを受け取る。同ヘッドコーチは「彼女はやっぱり(混合団体に)トラウマがあるので、少し身構えてしまう部分もあるのかな」と思いやり、「すごく爆発力があるので、あとは試合で自分のジャンプを本当にできるか。自信を持って臨めるように」と送り出すつもりだ。
「一丸となれるように。力になれるように頑張りたい」と高梨。個人で銅メダルだった18年平昌以来2大会ぶりの表彰台を目指し、あの涙を無駄にしない。【保坂果那】
◆北京五輪の混合団体 日本は高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑の順で飛躍。トップバッターの高梨が1回目に103メートルの好ジャンプだったが、飛躍後の無作為検査で、太ももまわりのサイズが2センチ大きいと判断され、スーツ規定違反による失格となった。その回の高梨の得点が加算されず、日本はギリギリ8位で2回目進出。2回目高梨は98・5メートルを飛び、小林陵の奮闘もあって合計836・3点で最終的に4位まで上げた。3位とはわずか8・3点差だった。高梨は泣き崩れ、その日取材対応ができないほど、憔悴(しょうすい)した。