「若い頃から『引退試合をしてもらえる選手になりたい』と思っていた」 楽天の金武キャンプで一際注目を集めているのが、11年…

「若い頃から『引退試合をしてもらえる選手になりたい』と思っていた」

 楽天の金武キャンプで一際注目を集めているのが、11年ぶりに日本球界に復帰した前田健太投手だ。広島のエースとして長く活躍し、2015年オフに海を渡るとワールドシリーズでも登板するなど輝きを放った。昨年はマイナー生活が続いて日本復帰を決断したが、実は「(メジャーに行く前から)最後は日本で、とずっと思っていました」と明かす。

 人にはそれぞれの“引き際”がある。体がまだ動いても、潔くユニホームを脱ぐ人もいる。ボロボロになるまでやり続ける人もいる。どれが正解、というのはない。37歳の前田の決断の裏に、そんな迷いはなかったのだろうか。尋ねてみると、即座に明快な答えが返ってきた。

「なかったですね。オファーがなかったら仕方ないことですけど。まだまだやれる自信もありましたし、そこ(引退)に関しては選択肢としてはなかったです」

 メジャーに挑戦する際から、キャリアの最後は日本でプレーすることを決めていたのだという。「最初の契約が8年と長かったので、8年終わったら帰ろうかなと思っていました。最終的に8年契約が終わったときに(さらに)2年契約をいただいたので『この2年が終わったら帰ろう』と決めました」。

 その裏には、育ててもらった日本のファンへの思いがある。「若い頃から、応援してもらって、背中を押してもらって、僕は成長できたと思っているので。キャリアを締めくくるには、やはりファンの方の前でしっかりと見てもらって終わりたいなと思っていました」と偽りのない思いを吐き出した。

 もちろん、今季から加入した楽天で長くプレーすることが大前提。「何年先になるとかは全くわからないですし、できるだけ長く続けたいという思いはありますが、最後は日本でキャリアを終えたいというのが僕の目標でした。若い頃から『引退試合をしてもらえる選手になりたい』とずっと思っていたので、引退試合をしてもらえるような終わり方が目標でもあるので、戻ってきたいなというのがありました」とマエケン流の“引き際”の考え方を語った。

 練習後にファンにサインを行い喜ばせても「シーズンが始まれば勝つことが一番のファンサービスになると思います。できるだけ自分もチームも勝てるように頑張りたいなと思います」とキッパリ。日米通算165勝を誇る男は、まだまだ日本のファンのために杜の都で右腕を振る。(町田利衣 / Rie Machida)