徳島ISに新加入の細川旺輝、父は西武などでプレーした細川亨氏 憧れていたのは甲子園ではなく父の背中だった。徳島インディゴ…
徳島ISに新加入の細川旺輝、父は西武などでプレーした細川亨氏
憧れていたのは甲子園ではなく父の背中だった。徳島インディゴソックスは1月31日、ショッピングモール・ゆめタウン徳島で、2026年に入団する新人選手のお披露目を行い23人が登壇した。最速145キロ右腕の細川旺輝(おうき)投手は、米・NCAA1部のラサール大へ入学するも1年時のリーグ戦開幕前に中退。独立リーグなら「最短1年で指名されるチャンスがある」と気を吐き、今秋のドラフト会議を見据えていた。
細川の父は、2002年に西武へ入団し、19年間のプロ生活でソフトバンク、ロッテ、楽天を渡り歩いた細川亨氏(ソフトバンク1軍バッテリーコーチ)。プロとして戦う父の傍で育ち、生まれたときから最も身近なスポーツが野球だった。
しかし、少年期には他の球児たちと違い、父が働く姿を見ながら「大変そうだなって気持ちがすごいあった」ことから、聖地・甲子園への憧れやプロ野球選手になりたいという夢は「なかったですね」と打ち明ける。それでも父への尊敬は大きく、野球への探求心もあった。アスリートを育成する米国の中高一貫校・IMGアカデミーのキャンプに2週間参加し、中学卒業後に入学したいと両親に伝え、海を渡った。
「最先端の設備があるなど、すごく環境がよかったし、キャンプも楽しかったんです。でも1年生のときは英語が分からなかったので授業についていくのが精一杯で、宿題も、単語を調べて、考えてなので時間がかかって。遠征のときはオンラインで授業に参加できましたし、録画された講義を見れるなど、勉強する体制も整っていました」
膨らんだNPBへの思い「お父さんと同じ日本のプロ野球でプレーしてみたい」
2025年5月の卒業が迫るにつれて心境に変化が起きた。将来を考えるうちに「お父さんの近くで、お父さんと同じ日本のプロ野球でプレーしてみたいって気持ちが1番になってきたんです」。一度はラサール大学へ進学するも、日を重ねるごとにNPBへの想いが膨らんでいった。
「(アメリカの大学は)MLBを目指すにはいい選択肢だと思うんですけど、日本でのプレーを目指すには、佐々木麟太郎くん(スタンフォード大)のような選手にならないと、わざわざスカウトが見にこないんです。僕なんかじゃ絶対に来ない。(遅かったけど)NPBへの気持ちがどんどん大きくなってきたので、日本に帰ってきました」
徳島インディゴソックスは「全く知りませんでした」と明かす。IMGアカデミーの同級生で、2025年8月に入団していた望月大樹投手から「日本でプレーするなら徳島がいい」と勧められたこともあり、NPB入りを果たすために門を叩いた。
最速145キロを誇る真っ直ぐの球速アップに意欲をみせたが、「速い球がいいと思われがちですが、逃げ道はある」とも話す。「米国で僕は球が速くなかったので、例えば140キロ台でメジャー級の選手をどうやって抑えるかを考えた」と振り返る。変化球やコントロールを磨き、父が戦ったステージへ。毎年多くのスカウトが足を運ぶ徳島から、扉をこじあけてみせる。(喜岡桜 / Sakura Kioka)