<明治安田J2・J3百年構想リーグ:甲府4-1福島>◇7日◇EAST・Bグループ第1節◇JITJ3福島のカズことFW三浦…
<明治安田J2・J3百年構想リーグ:甲府4-1福島>◇7日◇EAST・Bグループ第1節◇JIT
J3福島のカズことFW三浦知良(58)が、アウェーのJ2甲府との開幕戦に先発出場した。前半20分までの限定された時間だったが、自身が持つJリーグ公式戦の最年長出場記録を58歳11カ月12日に更新した。横浜FC所属の21年5月19日ルヴァン杯の浦和戦でマークした記録を実に5年ぶりに塗り替えた。1-4で敗れたが、今後へ期待が膨らむプロ41年目の幕開けとなった。
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「おしっこをちびりそうになりました」
カズはちゃめっ気たっぷりに話した。5年ぶりのJリーグ、その開幕戦での先発起用。「2日前ぐらいにこういう起用をすることは(寺田)監督から相談された。自分は準備するだけですけど、聞いた時はびっくり。本当に考えもしなかった」。半期の百年構想リーグ。その目玉となる男が“元日”ピッチに立った。
3トップの中央に入った。20分間でプレーは10回。積極的にクサビのパスを受け、攻撃の起点役に徹した。それだけに終わらない。前半7分には渾身(こんしん)のスライディングタックルを見舞った。同17分には右サイドでパスを受けると、縦に走る選手にパスを出すと見せかけ、右足で代名詞の「またぎフェイント」。相手の動きを一瞬止めると味方へパスをつないだ。カズらしいプレーの披露に歓声が上がった。
「自己評価は難しいですけど、いいプレーもあったと思います」。充実感を口にした上で「最初から使ったというのは、チームの緊張感とか、勢いとかに期待している部分があったと思う」。ただ前半3分に早々にチームが失点したことを踏まえ「自分が出ていた時にもう少し気を付けなければいけない」と反省した。
寺田監督は起用の意図について「トレーニングの中でカズさんにボールが入って周りが生きるシーンが数多くあった。開幕戦の雰囲気というのもあった」。交代時間については「戦術的理由」とした。そして甲府の圧力を受けた展開を踏まえ「ゴールに近いところでプレーできればもっと良かった」と今後に期待した。
58歳11カ月12日。新たな金字塔が打ち立てられたが、カズにはどこ吹く風だ。「記録って言われますけど意識していません。選手である以上、やっぱり試合に出たい」。もうすぐ59歳の男は日々、己の体と闘い続ける。「高い強度で練習して、試合に向けてエネルギーをため、そのエネルギーを使わなきゃいけない。その作業が一番大事なんじゃないかな」。サッカーとは日常であり生きること。それを実感し、プロ41年目が幕を開けた。【佐藤隆志】