第102回箱根駅伝(2、3日)で往復路、総合のトリプル新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を達成した青…
第102回箱根駅伝(2、3日)で往復路、総合のトリプル新記録で史上初の同一チーム2度目の3連覇(計9度目)を達成した青学大の新主将として、中村海斗(3年)の就任が内定したことが28日、分かった。広島・世羅高出身の中村は今回、初めて箱根駅伝の16人登録メンバーに入ったが、9区と10区の補欠要員で出番なし。3年時まで学生3大駅伝で出場経験がないが、闘志あふれる選手で主将に立候補した。3年生の学年ミーティングで「中村主将案」が固まり、原晋監督(58)も追認。全学年のチームミーティングで承認された後、正式に決定する。
箱根駅伝史に残るスーパーエースの「シン・山の神」黒田朝日(4年)の後を継ぐ青学大の主将として、学生3大駅伝未経験の中村が内定した。すでに練習の前後、原監督の隣に立って主将が行う声がけは、黒田朝日に代わり、中村が行っている。原監督は「中村が次期主将の候補で、内定したということです」と説明した。この日、相模原市の青学大相模原キャンパスで行われたトラック練習でも中村は、積極的に先頭を走り、チームを引っ張った。
「キャプテンに立候補しました。青学大に入学後、志貴勇斗さん、田中悠登さん、そして、黒田朝日さんと3人のキャプテンを見てきました。それぞれにカラーがありました。僕も僕のカラーを出して、チームを引っ張っていきたいです」と中村は言葉に力を込めて話した。
23年に世羅高から青学大に入学。着実に成長を続けているが、選手層が分厚い青学大で学生3大駅伝出場メンバーに選ばれたことはない。箱根駅伝に初優勝した15年(14年度)以降、3年時まで学生3大駅伝出場未経験で主将に就任した選手は、22年度の宮坂大器だけ。大学駅伝の経験はないが、その分、ガッツがあふれている。
青学大の現3年生世代は、箱根駅伝でチームは負けなし。ただ、箱根路を駆けた選手は今回4区3位の平松享祐だけ。1月3日、レース直後の大手町で中村は速くも1年後を見据えて「来年の箱根駅伝は必ず走ります」と、誰よりも目をギラギラさせて話していた。
駒大の新主将に就任した村上響(3年)は世羅高時代の同期生。2年時には全国高校駅伝で、ともに優勝メンバーに名を連ねた(中村2区12位、村上7区区間賞)。3年時には1区(23位)の村上と2区(29位)の中村はタスキをつないだ。3連覇を狙ったチームは14位に終わった。高校3年間、苦楽をともにした盟友、かつ、ライバルの村上について、中村は「響には絶対に負けたくありません。選手としては先に行かれていますが、このまま負けてはいられません」ときっぱり話した。
村上は2年時に箱根駅伝デビューを果たし、9区5位と好走。3年時の全日本大学駅伝では6区2位と力走して優勝に貢献した。しかし、今回の箱根駅伝では4区ではレース途中に右足を痛めた影響で19位と大苦戦。中村は「アクシデントがあったとしか考えられませんでした。響がロードで失敗するイメージはないので」と盟友を思いやるように話す。互いに万全の体調で対決することを心待ちにしている。
一選手として学生ラストシーズンにかける思いは強い。粘り強い走りが持ち味で、2月8日には宮崎・延岡西日本マラソンに挑む。原監督は「長い距離に強く、単独走ができるので箱根駅伝の復路タイプ。今回も最後まで起用を考えました。来年の箱根駅伝は4年生らしい走りをしてくれるでしょう」と期待を込めて話した。
第103回箱根駅伝(来年1月2、3日)で、青学大は4連覇と節目の10勝目を目指す。「黒田朝日さんという大エースが抜けるので、総合力で戦います。当たり前のレベルを上げて、泥臭く努力するチームでありたい」。中村の言葉には、箱根路の王者のリーダーにふさわしい覚悟があった。(竹内 達朗)
◆中村 海斗(なかむら・かいと)2004年5月10日、広島・尾道市の因島出身。因島南中では生徒会長を務めた。名門の世羅高で2度、全国高校駅伝に出場。2年2区12位でチーム優勝、3年2区29位でチーム14位。23年に青学大コミュニティ人間科学部入学。3年時まで学生3大駅伝出場はないが、昨年3月の実業団・学生対抗のエキスポ駅伝では7区を走り、区間5位と好走した。自己ベスト記録は5000メートル14分3秒19、1万メートル28分49秒40、ハーフマラソン1時間2分8秒。168センチ、53キロ。
◇青学大 箱根駅伝初優勝(15年、14年度)以降の成績、大作戦、主将(4年時の個人成績)
15年(14年度)優勝 ワクワク大作戦 藤川拓也(9区区間賞)
16年(15年度)優勝 ハッピー大作戦 神野大地(5区2位)
17年(16年度)優勝 サンキュー大作戦 安藤悠哉(10区4位)
18年(17年度)優勝 ハーモニー大作戦 吉永竜聖(10区登録から当日変更)
19年(18年度)2位 ゴーゴー大作戦 森田歩希(3区区間賞、区間新)
20年(19年度)優勝 やっぱり大作戦 鈴木塁人(3区4位)
21年(20年度)4位 絆大作戦 神林勇太(補欠登録)
22年(21年度)優勝 パワフル大作戦 飯田貴之(4区3位)
23年(22年度)3位 ピース大作戦 宮坂大器(登録メンバー外)
24年(23年度)優勝 負けてたまるか!大作戦 志貴勇斗(登録メンバー外)
25年(24年度)優勝 あいたいね大作戦 田中悠登(9区2位)
26年(25年度)優勝 輝け大作戦 黒田朝日(5区区間賞、区間新)