<大相撲初場所>◇14日目◇24日◇東京・両国国技館横綱大の里(25=二所ノ関)が“奇跡”の大逆転優勝へ、可能性をつない…
<大相撲初場所>◇14日目◇24日◇東京・両国国技館
横綱大の里(25=二所ノ関)が“奇跡”の大逆転優勝へ、可能性をつないだ。
優勝争いで単独トップの新大関安青錦に何もさせず、驚異的な圧力で押し倒す完勝。横綱昇進後、全4場所で2桁白星到達の10勝4敗とした。8日目から3連敗を喫し、休場危機に直面したが劇的に復調。取組前はトップと2差あったが、3敗の安青錦、熱海富士と1差に迫った。1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、13日目を終えて2差を逆転した例はない。「唯一無二」を掲げる大の里が、初の快挙に挑む。
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奇跡への最初の扉をこじ開けた。大の里が規格外のパワーで、観客の度肝を抜いた。もろ手突きの立ち合いから右のど輪。上体をのけぞらせた安青錦に、体勢を立て直す暇を与えず、猛然と追い回した。そのまま何もさせずに押し倒し。単独トップに立って、優勝候補の大本命とみられている安青錦を子ども扱いした。安青錦戦は通算4度目の顔合わせで全勝と、合口は抜群。負ければ優勝の可能性が消滅する一番で「奇跡」を予感せずにはいられない勝ちっぷりを披露した。
「下半身がここ数日、安定してきている。下に入れば、いけるかなと思った」と、低い立ち合いの相手に潜り込まれなければ、勝機はあるとにらんでいた。珍しい、のど輪で押し込む展開も「先場所、左肩があーなってしまったので。その中でしっかりと意識して、考えてやることができた」と振り返った。先場所13日目の3度目の対戦で、初めて安青錦に苦戦した。この取組で左肩を痛め、千秋楽を左肩鎖関節脱臼のため休場。その影響で今場所の調整は遅れ、途中の3連敗にもつながった。安青錦に勝ったのは、悪い流れを断ち切る大きな意味もあった。
これで3敗で並ぶ安青錦と熱海富士とは1差。金星2個配給を含む3連敗を喫した中盤戦から一転。今、最も強い姿を見せている。13日目を終えて2差を逆転した前例はないが、大関、横綱ともに昇進伝達式の口上で用いた言葉は「唯一無二」。3敗の2人がそろって敗れるという運も必要だが、前例のないスピード出世も果たした大の里。この日の驚異的な内容もあって「奇跡」を期待するムードは徐々にふくらんできた。
「とにかく残り2番、腹を決めてやっていこうと思って場所に来た。途中、連敗があって、勝ち越しもどうかと思っていた中で2桁勝てたのは、本当に大きなもの、大きな場所になっている。11番は優勝(の星)じゃないかもしれないけど最後の1番は、来場所につながる1番になる」。史上5例目の11勝4敗での優勝へ-。大の里が奇跡の大逆転を目指す。【高田文太】