米メディアが明かしたドジャース大型補強の裏側 FAの目玉だったカイル・タッカー外野手(カブスからFA)、最強守護神のエド…

米メディアが明かしたドジャース大型補強の裏側

 FAの目玉だったカイル・タッカー外野手(カブスからFA)、最強守護神のエドウィン・ディアス投手を獲得するなど、今オフも積極的に展開されるドジャースの大物補強。巨額を惜しみなく投入する補強の裏には、2011年の球団存続“危機”の際にMLBが下した決断が関係していると米メディアが伝えた。

 米スポーツメディア「ESPN」の元記者でフリージャーナリストのジューン・リー氏は22日(日本時間23日)、自身のX(旧ツイッター)を更新。ドジャースが税制面で大きな優遇を受けることができる“からくり”を明かした。

 動画では出演したナレーターが、ドジャースがスポーツネットLAと2013年1月に結んだ、2039年までの放映権に絡む契約を紹介し「ドジャースの最初の大きな転換期」になったと言及した。球団は同メディアと25年約80億ドル(1兆2672億円)の大型契約を締結。今のドジャースを考えると、80億ドルの金額に驚きは少ないかもしれないが、じつは2013年は破産直後で、経営的には難しい舵取りが必要な時期だった。

 ドジャースは2011年6月27日(同28日)に連邦破産法11条の適用を申請。つまり、破産危機からわずか1年半で大型契約を結んだことになる。本来は「富の集中」を避けるため、MLBでは、地元テレビ放映権で得た収益の大部分は、リーグに分配されることがルール化されている。ただ、ドジャースは破産直後だったため、MLBは「スポーツネットLA」との契約を税率面で優遇する“特例”を認めた。

 この温情な決断は、ドジャースに思わぬ“副収入”をもたらした。番組ナレーターは「テレビ放映権の税率は約33%です。MLBが通常(の税率)に当てはめたら、テレビ放映権の支払い(税金)は毎年9520万ドル(約151億円)になります」と言及。しかし破産直後だったため、税率は約33%から約10%に変更され、ドジャースが実際に支払う金額は2860万ドル(約45億3100万円)となり、毎年6660万ドル(約105億円)が浮く形となった。

 年間100億以上の“隠し財源”を得ているドジャースに対して、番組ナレーターは「ドジャースは豪邸を建てたのに、ボロ家の税率しかかかっていない感じです」と、この強力なアドバンテージを住宅に見立てて紹介した。続けて「関係者によると、この特例はドジャースの(現)テレビ放映権契約が終わる2039年まで失効しないようです。つまり、ドジャースのテレビ放映権の収益に対する税率は、30年近く破産した球団とみなされて徴収されるのです。米国スポーツ史上で前例のないことです」と投げかけた。

 名門を襲った存続危機は、MLBの温情により思わぬ副産物をもたらし、いまも球団の根底を支えている。MLB史上、類を見ない“不平等”な特例ルールは、2039年までドジャースの懐に大きな影響をもたらすことが予想される。(Full-Count編集部)