ダービージョッキー大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」――2026年の中央競馬も、はや3週目。1月18日には伝統の古馬重賞、…
ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」
――2026年の中央競馬も、はや3週目。1月18日には伝統の古馬重賞、GⅡ日経新春杯(京都・芝2400m)が行なわれます。同レースに対するイメージ、何かしら思い出があったりしますか。
大西直宏(以下、大西)今年で73回目を迎えるのですね。それだけ歴史がありますから、1月に開催されるお馴染みの古馬ハンデ重賞といった認識が強いレースです。
関西圏の重賞ということもあって、私自身はお手馬の関係や日程の都合上、現役時代に騎乗機会はありませんでした。(同レースについて)個人的に印象深いのは、私がデビューする前のことになりますが、テンポイントがこのレースで重度の骨折を発症したことですね。
――伝説のアイドルホースですね。1978年の日経新春杯に参戦。年末の有馬記念で宿敵トウショウボーイを初めて下して臨んだ一戦で、断然の1番人気でした。ですが、66.5kgという酷量を背負って4コーナー手前で故障が発生し、競走中止となりました。
大西 確か、海外遠征前の"壮行レース"として出走。当日は小雪が舞うような天候でした。当時の競馬ファンはそのショッキングな結末に、誰もがやるせない思いを抱いた記憶が残っているのではないでしょうか。
――そんな悲劇も影響してか、以降はバリバリの一線級の馬がこのレースに出走するケースは少なくなりました。さて、今年の出走メンバーをご覧になっての印象を聞かせてください。
大西 これから上を目指していく明け4歳馬と、重賞制覇までもう一歩といった年長馬が中心。顔ぶれとしては、やや小粒な印象を受けます。
――そういう意味ではズバ抜けた存在がおらず、激戦が予想されます。現状、大西さんが中心に考えているのはどの馬ですか。
大西 ゲルチュタール(牡4歳)です。潜在能力の高さと、昨秋のGI菊花賞(10月26日/京都・芝3000m)で4着に入った実績から、主役候補と見ています。
まだ少し頼りない面は残っていますが、自在性のある脚質と、追ってバテない持久力が強み。さらに大きな舞台を目指すうえで、ここはしっかりと結果を出して、通過点にしなければいけない一戦だと思います。
――昨秋は、GI天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)でマスカレードボールが、GI有馬記念(12月28日/中山・芝2500m)でミュージアムマイルが古馬相手に戴冠を遂げて、明け4歳世代が大活躍。とすれば、ここではゲルチュタールも人気を集めそうですが、同馬を脅かすような存在、馬券的な妙味がありそうな穴馬候補はいますか。
大西 ゲルチュタールの前走、菊花賞のレースぶりを振り返ると、最後の直線でジワジワと伸びてきたものの、やや重の馬場を気にしてか、道中の行きっぷりはひと息でした。2400mに距離が短縮される今回、道中の位置取りや、勝負どころでスッと反応できるかどうかが、勝ちきるためのポイントになると分析しています。
逆に言えば、その主役候補につけ入る隙があるとすれば、その辺り。つまり、そういったところで優位に立てそうな馬に食指が動かされます。
気になるのは、シャイニングソード(牡5歳)です。前走の3勝クラス・昇仙峡S(10月13日/東京・芝2400m)を勝ってオープン入りを決めたばかりですが、十分勝負になると考えています。

日経新春杯での一発が期待されるシャイニングソード
photo by Sankei Visual
――母はGI通算6勝のスタセリタ。全姉にオークス馬のソウルスターリングがいる超良血馬です。
大西 今回、重賞初挑戦になりますが、ハンデ戦ゆえ前走から2kg減のハンデ56kgで出走できるのは有利。デビュー以来、一度も馬券圏内(3着以内)から外れていない安定感も魅力です。大型馬の差しタイプですから、今の荒れ気味でパワーを要する京都の馬場も合っているのではないでしょうか。
京都・芝2400mでは、未勝利勝ちを収めているほか、3走前の3勝クラス・烏丸S(5月11日)でもクビ差の2着と奮闘。この時の3着馬は、のちにGⅢ中日新聞杯(中京・芝2000m)を制すシェイクユアハートでした。そうした比較からも、ハンデ重賞なら通用する下地はあります。
中内田充正厩舎&川田将雅騎手の"黄金コンビ"といったことを含め、強調材料は多いですから、今回の「ヒモ穴」にはシャイニングソードを推したいと思います。