第104回全国高校サッカー選手権大会の決勝が1月12日、東京の国立競技場(MUFGスタジアム)で開催され、6万142人の…

第104回全国高校サッカー選手権大会の決勝が1月12日、東京の国立競技場(MUFGスタジアム)で開催され、6万142人の観客が詰めかけた。決勝の観客数が6万人を超えるのは大会史上初であり、これまでの最多だった前回第103回大会の5万8347人を上回り、最多記録を更新した。

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決勝は神村学園(鹿児島)と鹿島学園(茨城)が初優勝をかけて対戦した一戦で、チケットは準決勝が行われていた試合2日前の段階で完売していた。近年は観客動員が右肩上がりで、決勝の観客数は4大会連続で5万人を突破している。

今大会の通算入場者数は38万7252人に達し、前回大会の35万7484人を大きく上回った。これは、決勝が成人の日開催となった第81回大会以降で最多となる数字である。準々決勝では複数会場でチケットが完売し、2回戦でも完売となった会場が出るなど、決勝以外のラウンドでも高い集客力を示した。後半、場内の電光掲示板に観客数「6万142人」が表示されると、スタジアム全体からどよめきが起こった。

この観客動員力は、世界のユース大会と比較しても極めて異例である。サッカー王国ブラジルでは、毎年1月にU-20の全国大会「コパ・サンパウロ」が開催される。128チームが参加する同大会は「世界最大の育成大会」とも称され、ネイマールやカカらを輩出してきたが、近年の決勝戦は収容規模が限られたスタジアムで行われるケースが多く、観客数は5万人規模には達していない。

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欧州に目を向けても、ユース年代の大会で高校サッカー選手権ほどの観客を集める例は少ない。イングランドのFAユースカップは1953年から続く伝統大会だが、通常の決勝における最多観客数は、2007年のアーセナル対マンチェスター・ユナイテッド戦の3万8187人である。2022年にマンチェスター・ユナイテッドがチケットを1ポンドに設定した特別企画で6万7492人を記録したことはあるものの、これは例外的なケースとされている。

UEFAユースリーグなど欧州の主要ユース大会でも、決勝は比較的小規模なスタジアムで行われることが多く、観客数が公式に公表されない場合も少なくない。アマチュアの高校生大会で決勝に6万人超を集め、大会全体で38万人以上を動員する例は、主要なユース大会の中でも極めて稀である。

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また今大会では、準決勝と決勝がタイとベトナムで配信された。前回大会では決勝のみが海外でライブ配信されていたが、準決勝が海外向けに配信されたのは大会史上初であり、決勝が複数国で同時配信されたのも初の試みとなった。海外メディアは毎年この観客動員数に注目しており、欧州の指導者からも驚きの声が上がっている。

同じ国立競技場で行われた昨年11月の天皇杯決勝の観客数が3万1414人だったことを踏まえると、高校サッカー選手権の人気の高さは際立つ。試合は神村学園が3対0で勝利し、夏のインターハイとの2冠を達成した。「冬の国立」で繰り広げられる高校生たちのひたむきなプレーは、日本の高校サッカーが持つ独自の文化と魅力を、国内外に強く印象づける結果となった。