MLBは米国時間15日(日本時間16日)に米国、カナダ、プエルトリコ以外の25歳未満の選手を対象とした国際アマチュアFA…

MLBは米国時間15日(日本時間16日)に米国、カナダ、プエルトリコ以外の25歳未満の選手を対象とした国際アマチュアFAの契約解禁日を迎える。誉(愛知)の最速147キロを誇るモレチ・アレシャンドレ投手(3年)は米大リーグのフィリーズとマイナー契約を正式に結び、16日に同校で記者会見を行う。夢のメジャー挑戦を見据え、194センチの長身右腕が1歩踏み出す。

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物心ついた時からモレチの夢は1つだった。「野球で稼げるプロの世界に行きたくて、必死にやっていました」。

晴れて16日にフィリーズとマイナー契約を結べば、中南米出身者を中心に構成されるルーキーリーグでのプレーが決まるため、関係者に勧められた学習アプリのデュオリンゴでスペイン語を習得中。「『これやったら完璧になるから、やっときゃー』と言われました」。チャーミングな名古屋弁でまくしたてた18歳の、メジャー契約を目指す挑戦が始まろうとしている。

ブラジル育ちの両親の下で、生まれた時から規格外の4000グラムを上回る体重で誕生し、すくすくと育った。野球に出合った小学4年の頃。イタリアとブラジルのハーフの父パウロさんと近くの公園でキャッチボールしている姿が近所の人の目に留まり、少年野球チームに誘われ入団。食事や練習相手など、家族の存在なしに今の自分はいない。「何をするにも応援して全力でサポートしてくれる。めちゃくちゃいい親を持ったと思います(笑い)」。

親から譲り受けたアイデンティティーを大切にし、高校を選んだ。誉(愛知)の入学理由はナイジェリア人の両親の下で育った、22年ソフトバンク1位でOBイヒネ・イツアに憧れたから。自分のルーツと重ね合わせ“ロールモデル”のように慕った。「イヒネさんがいたから、誉でプロを目指そうと決心しました」。

思わぬ形で「言葉の壁」を壊した。中学時代に海外で人気のオンラインゲームに参加したかったことをきっかけに、学習を始め英会話を習得した。昨秋U23ブラジル代表でスペイン語圏での遠征を経験したが、「英語は自信がある」と断言。「ラッキーですね。それをきっかけに、今こうなって」と笑う。「秋に(プロ)志望届を出しましたが、(今回オファーがなければ)独立リーグか大学でした」。恵まれたチャンスをかみしめて、海を渡る。【中島麗】

◆モレチ・アレシャンドレ 2007年(平19)5月8日、愛知県小牧市生まれ。ブラジルとイタリアにルーツを持つ父と日系ブラジル人の母を持つ。マシンガンズ-名古屋富士ボーイズを経て、誉では2年秋に公式戦デビュー。3年夏はNPB、MLBスカウトたちが駆けつける中で愛知大会ベスト8で終わるも、同年10月にはブラジルU23代表に選出され、パンアメリカン選手権大会で2試合計4回無失点。194センチ、96キロ。右投げ右打ち。