<大相撲初場所>◇3日目◇13日◇東京・両国国技館新弟子らによる前相撲が始まり、元高校球児で神奈川・白山高3年の本名・柳…
<大相撲初場所>◇3日目◇13日◇東京・両国国技館
新弟子らによる前相撲が始まり、元高校球児で神奈川・白山高3年の本名・柳沢仁利(じんと)の旭轟星(きょくごうせい、18=大島)が、白星デビューを飾った。千代琉聖(21=九重)を突き出し、大きな1歩を踏み出した。
初めての東京・両国国技館の土俵に旭轟星は「思ったよりも客席の方が広くて緊張した」と振り返る。
「負けてもいいから思い切りやりなさい」。元関脇旭天鵬の大島親方(51)からそう送り出されたという。
旭轟星は立ち合いから強気に前に出た。野球で培ったパワーを見せつけ、動画サイトで見てきた憧れの舞台で確かな足跡を刻んだ。
過去に神奈川ベスト8の実績を持つ県立校・白山高では、1年秋から主力として活躍。身長176センチ、体重123キロの恵まれた体格を生かし、主砲として通算11本塁打をマークした。昨夏の神奈川大会3回戦敗退後、高2から絞っていた角界の道を志した。
元幕内旭大星の大串拓也さんにSNSを通じて連絡を取り、紹介を通じて大島部屋に入門。その後は先輩力士から相撲のいろはを学んできたという。
バッターボックスから土俵へと舞台は変わっても、強みは「公式戦でのプレッシャーの中でも力を出し切れるところ」。激戦区・神奈川の公立校で培った精神力の強さをアピールする。
取組前には、野球部の同期から「勝ってこい」とメッセージをもらった。「見といて。勝ってくる」。そう返信した旭轟星は見事、有言実行で応えた。
自ら名付けたしこ名は、大島親方と、相撲界に導いてくれた大串さんのしこ名から1字ずつ取ったという。「まだまだ相撲のことを知らない。強くなって恩返ししていきたい」。第2の人生を歩み出した元スラッガーの物語の1ページ目が開かれた瞬間だった。【泉光太郎】
◆前相撲 新弟子検査に合格した力士らが取る相撲のこと。通常は本場所の3日目から行われる。先に3勝した力士から抜けていき、抜けた順に翌場所の番付の序列が上位となる。本場所8日目には前相撲を取った新弟子による新序出世披露が行われる。