西武古市尊捕手(23)がDeNAに移籍することが8日、発表された。西武にFA移籍した桑原将志外野手(32)の人的補償とし…
西武古市尊捕手(23)がDeNAに移籍することが8日、発表された。西武にFA移籍した桑原将志外野手(32)の人的補償としての移籍になる。
古市(ふるいち)は仲間たちに“ペラ市”と呼ばれる。由来は「ペラ1」。細く、まだ体も薄いから。でも今年は体重が4キロ増。1日5、6食をとった日もある。「何とか減らずにすみましたね」。
最近、チーム関係者には「体ががっちりしてくればレギュラー争いもできる」という声が複数あった。ソフトバンク杉山、ロッテ時代の佐々木朗希…球界を代表する速球派にもしっかりとヘッドを走らせ、パワー不足とはいえ的確なコンタクトを見せてきた。
人的補償で選ばれたということは、DeNAから「プロテクト28人以外の1番手」と認められたに等しい。独立リーグから育成契約を経て、ここまで来た。努力のたまものでもある。
中学時代、そこまでプロへの熱はなかった。高松南高へ進学も、いつもベスト8止まり。「もともと僕らの高校ってあまりウエートもしなくて、食トレもないんですよ。だからなのか、ずっと線が細くて」。
高校野球でレベルが高くなり、徐々に芽生える“その上”への思い。
「高校3年夏までずっと電車で寝てたんですよ。30分くらい。それが…」
覚悟を決めた。
「独立リーグで野球を続けられるって決まって。現役の時は2年半、電車はずっと寝てましたけど、高校野球を引退してから、チャリで通学するようになったんで。1時間半くらい、毎日必死でこいでました」
西武に入った。見知らぬ関東、埼玉の土地。
「埼玉のうどんが濃すぎて、香川のうどんが分からなくなってきます。ダシが濃くて、香川が薄く感じて。物足りなさが出てくるんですよね」
土地に慣れ、「濃すぎる」時間で居場所をつかみ、また新しい街へ旅立つ。くしくも香川に帰省中に移籍通達を受けた。捕手は人間関係も命。「また1から」と背筋を伸ばす。ペラ市から堂々たる古市へ。これはチャンスだ。【金子真仁】
◆人的補償 FA宣言選手が前所属球団の年俸ランク10位に入っていれば、補償が発生する(1~3位=Aランク、4~10位=Bランク)。補償は金銭のみ、または金銭+人的の2通りあり、人的補償はFA選手獲得球団が任意に定めた28人(プロテクト選手)と外国人選手、直近ドラフト獲得選手を除く名簿から1人獲得できる。人的補償が他球団と重複した場合、獲得球団と同一リーグの球団を優先する。
◆古市尊(ふるいち・たける)2002年(平14)6月15日、香川県生まれ。高松南-四国IL徳島を経て21年育成ドラフト1位で西武入団。23年4月14日に支配下選手登録され、5月14日楽天戦では2番でスタメン出場した。24年4月28日ソフトバンク戦でサヨナラ捕逸を記録。1軍通算45試合で74打数16安打(打率2割1分6厘)、本塁打と打点は0。176センチ、74キロ。右投げ右打ち。