第102回箱根駅伝で史上初の同一チーム2度目の3連覇を成し遂げた青学大に、新たに加わった「家族」がいる。昨年10月、東京…

第102回箱根駅伝で史上初の同一チーム2度目の3連覇を成し遂げた青学大に、新たに加わった「家族」がいる。

昨年10月、東京都町田市の「町田寮」にやって来たのは、原晋監督(58)、寮母の美穂さん(58)夫婦の愛犬「まりも」。今では部員たちからも愛される「アイドル」と言う。

1月4日夕。往路、復路、総合の新記録を樹立した歓喜から一夜明け、記者は寮の前で原監督と選手のテレビ番組収録の帰りを待っていた。

寒空の下、日陰となった寮の駐輪場。記者の仕事は見る、聞く、書くだけではない。「待つ」のも仕事の1つだ。

手持ち無沙汰にしていると、寮の玄関が開いた。

ふと記者が目を向けると、そこには寮母・美穂さんとリードでつながれたシーズー犬が出てきた。これから飼い犬の散歩に出かけるところだった。しかし、美穂さんはこう言う。

「まだ1度も散歩に行けてないんです」

玄関を出たと思いきや、まりもはそこから1歩も動かなかった。「まりも、行くよ!」。美穂さんの言葉には反応したが、そっぽを向く。過去には部員が寮の前の道まで運んでいって、置いてみたりしたが、寮の前まで戻ってしまうことも…。

名門の陸上部入部から約3カ月だが、“ロード適性”はまだないようだ。ただ、「郵便局の人が来たら外に出ようとするんです」とも美穂さん。選手のように課題克服にも取り組む姿勢もあるという。

寮母になって22年、「犬がずっとほしかった」と言う美穂さん。昨年、ペットショップで見たメス犬に一目ぼれし、原監督に頼み込んで寮に招き入れたという。

今ではすっかり部員たちからの人気者に。指揮官も「やっぱり犬は癒やし効果をもたらしてくれますね。寮内が明るくなったし、心が癒やされますし、原監督もカリカリしなくなってきた」と独特の表現を使って笑顔で言う。

ただ、「選手はある程度言うことを聞いてくれますけど、犬は言うこと聞いてくれませんね」とも苦笑い。世話に苦戦していた。

今回の箱根路ではレース中に犬が飛び出すハプニングもあった。原監督も「選手指導のように『動物もしつけが大切なんだな』と。改めて基本的なしつけの重要性を感じている」。

フレッシュグリーンの愛犬はこれからも成長を重ね、チームの心の支えとなり、あまたのランナーを見守り続ける。【泉光太郎】