◇第102回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=…

◇第102回東京箱根間往復大学駅伝競走復路(3日、神奈川・箱根町芦ノ湖スタート~東京・千代田区大手町読売新聞社前ゴール=5区間109・6キロ)

 3年連続で8区に出場した青学大の塩出翔太(4年)が1時間3分45秒の区間新記録をマークし、優勝を決定づけた。体調不良で急きょ1区欠場の荒巻朋熙(4年)が10キロ地点の給水係を務めて快走をサポート。現4年生と同期の皆渡星七(みなわたり・せな)さん(当時3年)が昨年2月に悪性リンパ腫のため、21歳の若さで亡くなった。塩出は「4年生みんなの力で勝てた」と感謝した。

 8区は終盤にダラダラと1キロを上る遊行寺の坂がある。塩出は難所を乗り越え、戸塚中継所手前でラストスパート。19年、東海大の小松陽平がマークした1時間3分49秒の区間記録を4秒更新した。「時計は見ていませんでした。全力を出すだけでした」と塩出は充実した表情で振り返った。7区終了時で1分28秒差に迫っていた国学院大を突き放し、勝利を引き寄せた。

 8区の中間点前で塩出の区間新記録を確信していた仲間がいる。1区出場予定だったが、胃腸炎のため、無念の欠場となった荒巻だった。レースを走ることはできなかったが、10キロ地点の給水係を申し出て、給水ボトルを渡しながら約50メートルを並走した。「絶対に区間新が出ると思いました。今までで一番、動きがよかった。4年間、ずっと一緒に走ってきたので分かります」と荒巻は笑顔で明かした。盟友のサポートに塩出は「荒巻は悔しいはずなのに明るくサポートしてくれた」と感謝した。

 もうひとり、心の中で伴走していた選手が皆渡さんだ。「4年生はみんな星七の思いを感じて走りました」と神妙に語る。2月21日に皆渡さんの故郷の大阪・豊中市で、昨季主将の田中悠登さんが中心となって「ななつぼしマラソン」が開催される。「4年生みんなで参加します。星七にいい報告ができます」と塩出は柔らかな表情で話した。

 2月1日には、絶対エースの黒田朝日と共に別府大分毎日マラソンに出場する。「朝日のタイム(昨年の大阪で2時間6分5秒)が高い目標で、2時間7分台では走りたい」と意欲を示した。

 卒業後は旭化成に進む。青学大で過ごした4年間のすべてを糧にして塩出翔太は走り続ける。(竹内 達朗)

 ◆塩出 翔太(しおで・しょうた)2003年9月13日、広島・尾道市生まれ。22歳。栗原中から陸上を始め、世羅高では1、2年時に全国高校駅伝出走。箱根駅伝は2年時に初出走し、3年間8区区間賞(4年時は区間新記録)。自己ベストは5000メートルが13分49秒56、1万メートルが28分55秒81、ハーフマラソンが1時間1分54秒。170センチ、53キロ。