日本のサッカー界でも、さまざまなことが起きた2025年。J1では鹿島アントラーズが9年ぶりにタイトルを手にし、そしてJ…
日本のサッカー界でも、さまざまなことが起きた2025年。J1では鹿島アントラーズが9年ぶりにタイトルを手にし、そしてJ2では「番人」とまで言われた水戸ホーリーホックが史上初となるJ1昇格を果たした。一方、日本代表はワールドカップ出場への準備を進める中、史上初めてブラジル代表に勝利し、なでしこジャパンは新監督の下、苦戦を強いられている。ワールドカップが開催される2026年に向けて、ベテランのサッカージャーナリスト大住良之と後藤健生が2025年の日本のサッカー界を「総括」。そして、2026年の「展望」を語り合った!
■フランス相手に善戦も「ノーゴール」
――今年は年代別日本代表の試合もありました。
後藤「U-20代表は、2月に中国の深センにアジアカップを取材にいって、煮え切らないチームだなと思っていたけど、秋のワールドカップではすごく良い試合をしていた。相手は実質的に2軍か3軍だったかもしれないけど、フランスを相手に圧倒的に攻めていた。それでも点を取れずに負けたことで、ここがやはり日本の弱点だなと思ったね。今の日本の選手は本当に皆うまいし、個人戦術もチーム戦術もできる。だけど、やはり強引にでも点を取りにいくということができないんだなあと思ったね。それができないと、どの年代でも上には行けないなと思いましたよね。点を取るときには取らないと、ということを身にしみて感じて要求していかないと、世界のベスト8以上に行くのは難しいと感じた」
大住「世界のトップクラスになると、ストライカーは決めるべきところで決めるからね。枠を外したりなんてしない」
後藤「良い内容のサッカーをしているとか、相手を圧倒的に上回っている、ボールポゼッションができてチャンスもつくっている、それだけで満足してはいけないんだよな。点を取れなかったらダメなんだよ」
■乗り越えられない「最初の試合」
大住「良いシュートを打ったからって、喜んでいてはいけない。決めないと意味がない」
後藤「日本の男子代表チームはどの年代も、グループステージは突破するんだけど、ノックアウトステージの最初の試合を乗り越えられないんだよね。何とか突破口を見出してほしいね」
大住「もっと不条理な面が、指導にあってもいいのかもしれないね」
後藤「今度のU-20の山口智監督は、不条理な状況の中でJ1残留争いを潜り抜けてきた人だから、その辺を叩き込んでほしいな」
大住「選手たちの中で、点を取るということの優先順位がすごく低いような気がする。それよりも良いパスを出すほうが大事、とかさ」
後藤「昔より改善されているのは間違いない。U-20の徳田誉にしてもU-17の吉田湊海にしても、CFタイプっぽい選手が各年代に出てくるようになったんだよね。その点では昔よりはずっと世界の強豪に近づいていると思うけど、彼ら個人もチームも、とにかく攻めているんだったら点を取らないといけないという意識を高めてほしい」
■バイエルンの「17歳」の背中に学べ
大住「U-20にしてもU-17にしても、攻めているだけで満足しているような感じだった」
後藤「深センでのアジアカップなんて、もっと圧勝してもおかしくなかったのに、韓国に追いつかれたり、イランにPK戦に持ち込まれたりした。もちろんサッカーだから、どれだけやっても点が入らないことはあるのは分かっているけど、そういうことが多すぎるよね」
大住「やはりゴールの枠に蹴り切らないというのは問題だと思うよね」
後藤「可能性を秘めた選手が、いつでも各年代に出てきているんだよね。昔なんて日本のFWは守備が仕事のような時代があったけど、今はそういう意識じゃなくなりかけているんだから、もう少しなんだよ」
大住「セルティック時代の古橋亨梧のような、点を取りまくる選手が出てきてほしいよ。バイエルンのレナート・カールなんて、17歳だけど点を決めているよ。ああいうふうに、17歳だから出るだけで十分という思いを、本人も周囲も払拭しないといけないよね」
後藤「徳田は、鹿島という勝ちにこだわるチームにいるわけでしょ。彼がそういう仕事をして、次のU-20ワールドカップでベスト4くらいまで行ってくれるといいなと思いますけどね」