日本航空石川が実践…“ひと冬で化ける”選手を生むトレーニング 雪が降る冬場は外でボールを使った練習ができず、選手の技量が…

日本航空石川が実践…“ひと冬で化ける”選手を生むトレーニング

 雪が降る冬場は外でボールを使った練習ができず、選手の技量が停滞する時期と思われがちだ。しかし、春夏通算6度の甲子園出場を誇る日本航空石川の中村隆監督は「積雪地帯の高校は不利と言われてきたが、今は強みにもなる」とプラスに捉えている。雪に閉ざされた時期こそ、体作りに集中できる絶好の機会なのだ。

 中村監督が重視するのは自重トレーニング。「自分の体を思い通りに動かせるようにしてほしい」と基礎的な体づくりに力を注ぐ。特に胸郭や股関節の柔軟性を高める動きを意識したトレーニングを取り入れることで、体の操作性向上に努めている。結果として「ボールが速くなる、足が速くなる、安定した動きに繋がる」と効果を説明する。

 器具を使ったウエートトレーニングでは、野球のプレーに生かせない場合もあるという。思うように体を扱えるからこそ技術向上に繋がり、出力を発揮できる。

 こうしたトレーニングは「オフ期間だから、時間が取れる」。積雪期には1時間から1時間半をかけ、ほぼ毎日実施する。冬場は雪でグラウンドが使えなくなる地域では、室内での体作りに集中できる。これが「ボールやバットを使える地域に比べると、圧倒的に肉体強化にかける時間が長い」という逆転の発想につながる。

 室内練習場では2人一組になり、ベアウオークやブリッジ回転、ハンドウオーク、逆立ちなど体の操作性を重視したドリルをひたすら行っている。グラウンドが使えない冬はトレーニングに時間を割き、体を一から見直して実戦を行う春、そして勝負をかける夏を迎える。

 中村監督は「ひと冬越えての伸び率は高いかもしれない」と効果を強調する。実際にチームでは冬場のトレーニングを経て「一気に化ける子は多い」という。野球技術向上だけでなく土台作りに集中できる冬場こそ、大きく成長できるチャンスなのだ。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)