<全国高校サッカー選手権:岡山学芸館0-2日大藤沢>◇31日◇2回戦◇U等々力元日本代表で川崎F一筋のレジェンド中村憲剛…

<全国高校サッカー選手権:岡山学芸館0-2日大藤沢>◇31日◇2回戦◇U等々力

元日本代表で川崎F一筋のレジェンド中村憲剛氏の長男、MF中村龍剛(2年)が所属する日大藤沢(神奈川)が22年度大会の覇者・岡山学芸館を2-0で下し、ベスト16進出を決めた。中村はボランチで先発し、父がプロ人生18年を過ごした聖地・等々力で同じ背番号14を付けて躍動した。前回王者の前橋育英(群馬)、4度優勝の青森山田が敗退する中、前回準優勝の流通経大柏(千葉)、インターハイ王者の神村学園(鹿児島)は勝ち上がった。

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観衆1万3977人の視線は、等々力のピッチに立つ14番に注がれた。父も見守る中、中村龍剛が全国舞台でベールを脱いだ。その姿はまさに父と瓜二つ。パスを前後左右に散らし、ゲームをコントロール。相手ボールとなれば体を張って奪い返す。2年生ながら遠慮なく先輩たちを指示し、鼓舞する。170センチの小さな体にはあふれんばかりの闘志が詰まっている。

子供の時から通ってきた等々力で、見る側からプレーする側に変わった。勝利も加わり「まさに夢舞台、ここでプレーできて幸せ。いい思い出になった」。ただ昨年12月の父の引退試合を皮切りに、この1年で4度目の等々力ピッチ。もう完全にわが家の庭だった。

前半12分には激しいファウルを受け顔面を強打した。ピッチに倒れたが、プレーを続行した。「目がチカチカした。でも戦わなきゃいけなかった」。果敢に体を張り、3本のシュートも放った。後半15分にエースFW有川がPKで試合を動かす。「点が入ってホッとしたら頭が痛くなった」。直後にベンチに下がった。

川崎Fで3度のリーグ優勝にMVP、日本代表ではW杯にも出場した父。記録にも記憶にも残るレジェンドと比較されてきた。「昔は嫌なこともありましたけど、今は“自分は自分”だと思ってサッカーができている」。むしろ日本最高レベルのサッカーIQを持つ父と意見交換を重ねることで、プレーは磨かれた。「似せたというより似ちゃったという感じ」と言う。

県予選までは背番号7だったが、今大会は14番登録。佐藤輝勝監督は「偉大な父を超えたいという中村には、2倍成長してほしいとの願いを込めて14番にしました」と笑う。親の七光でなく「ゲームを読む力」を買われ実力で勝ち取ったレギュラーの座だ。向上心の塊の中村は「自分はまだそんな(大した)選手じゃない。やらなきゃいけないし、日本一を取らなきゃいけない」。運命の地から、中村憲剛という大きな背中を追っていく。【佐藤隆志】