「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン4日目、グループ〈ピート・サンプラス〉で、ドミニク・ティーム(オーストリア)と、初戦を終えた後に棄権を表明したラファエル・…

「ATPファイナルズ」(11月12日~11月19日/イギリス・ロンドン/室内ハードコート)のシングルス・ラウンドロビン4日目、グループ〈ピート・サンプラス〉で、ドミニク・ティーム(オーストリア)と、初戦を終えた後に棄権を表明したラファエル・ナダル(スペイン)に代わって出場することとなったパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)が対戦。6-3、3-6、6-4のフルセットでティームが勝利し、1勝1敗とした。試合時間は2時間6分。

両者は過去4回対戦し、すべてティームが勝利している。両者が対戦した最後の試合は今年の「リオ・オープン」の決勝戦。そのときのスコアは7-5、6-4となっている。◇   ◇   ◇

第1セット、カレーニョ ブスタのサービスゲームからスタート。両者安定した立ち上がりを見せるが、先にブレークのチャンス訪れたのはティーム。第5ゲームで4連続ポイントを取りブレークに成功する。さらに第9ゲーム、デュースに持ち込んだティームは危なげなくブレークし、第1セットを先取した。元々ミスが少ないのが持ち味のカレーニョ ブスタだが、今日が初戦ということもあってかバックハンドのアンフォーストエラーが11本と多くなり、まだエンジンが掛かりきっていなかったのかもしれない。

第2セットは調子を上げてきたカレーニョ ブスタにティームが苦戦する展開となった。ティームは第2ゲーム、第4ゲームでブレークのチャンスをつかむも、あと一本が決まらずものにできなかった。逆に第3ゲームではティームのミスに乗じてカレーニョ ブスタにブレークされてしまう。そして第9ゲーム、ティームは再びカレーニョ ブスタに追い上げられ、セットポイントを奪われてしまう。これでセットカウント1-1、決着はファイナルセットへと持ち越された。

決着の決まる第3セット。第2セットを取ったカレーニョ ブスタのちょっとしたスキをついたティームは、第1ゲームでいきなりブレークに成功する。さらに第5ゲームでもブレークのチャンスをつかむが、ここはカレーニョ ブスタがなんとかしのぐ。続く第6ゲーム、ティームはダブルフォルトでアドバンテージを取られるとそのままブレークバックされてしまう。追いつかれたティームは第7ゲームでデュースに持ち込むも、5度のデュースの末にキープされてしまう。

第7ゲームで見せたカレーニョ ブスタのボールに対する執念はすごかった。ティームの球を追いかけてエンドラインに向かって走り、ショットを返した後にその後ろの看板を飛び越えるというシーンもあった。結果的にリターンはアウトとなったが、なんとしても勝利をもぎ取ろうという姿が印象的だった。

10分にも及ぶデュースでブレークすることができなかったティームはそのうっぷんを晴らすかのようなプレーを見せ、第8ゲームをラブゲームでキープする。そしてここからさらにギアを上げてきたティームは、続く第9ゲームでブレークすることに成功する。そして勝利をかけたマッチポイント。ティームの強烈なサーブをカレーニョ ブスタは返すことができず、ティームの勝利が決まった。

試合後のインタビューでは「とにかくタフな試合だった。ファイナルセットはどちらが取るかわからなかったけれど、僕の方がほんのちょっとだけラッキーだったのかも」と語った。

勝利したティームはこれで1勝1敗となり、明後日のダビド・ゴファン(ベルギー)戦に望みを繋いだが、右足の親指の辺りに違和感があるのか、ベンチに戻って靴を脱いでマッサージをする場面が初戦に続き見受けられた。準決勝進出をかけたゴファンとの直接対決に向けて万全の調子で向かってもらいたい。

(テニスデイリー編集部)

※写真は準決勝進出に望みを繋いだティーム

(Photo by Clive Brunskill/Getty Images)