<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 4>いよいよ新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム …
<棚橋弘至を愛してま~す 引退連載 4>
いよいよ新日本プロレス「WRESTLE KINGDOM 20 in 東京ドーム 棚橋弘至引退」(26年1月4日、東京ドーム)の開催が迫ってきた。プロレス界をけん引してきた“エース”棚橋弘至(49)はどのようにその日を迎えるのか。本人や関係者の証言をもとに、棚橋というプロレスラーの生きざまを振り返る。
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日体大時代に自由が丘駅で棚橋弘至から「君、いい体してるね。プロレスラーになりなよ」と声をかけられ、レスラーを目指したのが現IWGP GLOBALヘビー級王者の辻陽太(32)だ。付き人も務めた辻は、棚橋のラストマッチをどのような思いで見ているのだろうか。
棚橋との思い出について聞かれた辻は、英国、メキシコと回った海外遠征に出発した時のことを語り出した。「思い出はいろいろあるんですけど、一番うれしかったのは海外遠征に行くときにくれた餞別(せんべつ)ですね。その餞別の袋に『俺を超えなさい』って書いてあったんです。餞別よりも、その気持ちがうれしかったな」と振り返る。
しかし現時点で、辻は棚橋の言葉を実現できていない、と自分で思っている。いくら棚橋に試合で勝ったとしてもだ。「誰ひとり(棚橋を)超えてないと思います、世界的に見ても。KONOSUKE TAKESHITAもすごいけど、そこに関しては歯が立たない」。
“そこ”とは何か。辻は「それはやっぱりレスラーとしての価値なんですよね。勝ち負けじゃないじゃないですか、今の棚橋弘至って。棚橋弘至を見ることに価値があるし、リングに立っていること自体に価値がある。プロレスの最終的なゴールってそこだと思います」と説明する。
だからこそ「プロレスは人生。何度倒れても、でも立ち上がって、立ち上がって、最後に壁を乗り越える。そういうものを見せなきゃいけないと思うんですよね」と技術を超えた部分の大切さを強調し、1・4東京ドームで戦うTAKESHITAについては「感情移入できないレスラー」と、技術以外の物足りなさを指摘するのだ。
そんな辻は「棚橋弘至引退」について「これから先、心配だなと思って。心配というのは集客面とか。俺らがしっかりしてないからだと言われるのは間違いないんですけど。でも(現時点で)辻陽太と棚橋弘至、どっちに価値があるかと言われたら棚橋弘至ですから」という。そして「でも、そこに自分はならなきゃいけない。エースを継承するとか、棚橋弘至にならなきゃ、とは思ってない。ただ、あいた穴を僕がしっかり埋めなきゃいけないと思ってます。僕のやり方で」と誓っていた。【千葉修宏】
◆辻陽太(つじ・ようた)1993年(平5)9月8日生まれ、横浜市出身。小・中学校で野球、高校ではアメフトで活躍し、日体大に推薦入学。在学中に自由が丘駅で棚橋弘至と遭遇したことがプロレスラーを目指したきっかけとなった。16年12月、新日本の入門テストに合格し、17年4月に入寮。18年4月の岡倫之戦でデビューした。21年9月から英国やメキシコへ海外遠征。23年5月の福岡大会で新日本に凱旋帰国。昨年3月のNEW JAPAN CUP2024で優勝。同年8月のG1 CLIMAX34で準優勝。今年IWGP GLOBALヘビー級王座を2度戴冠した。182センチ、103キロ。