「プロレス・スターダム」(29日、両国国技館) 史上初めて女子レスラーでプロレス大賞を受賞したワールド王者・上谷沙弥(…
「プロレス・スターダム」(29日、両国国技館)
史上初めて女子レスラーでプロレス大賞を受賞したワールド王者・上谷沙弥(29)が安納サオリの挑戦を退け、8度目の防衛に成功した。22分40秒、旋回式スタークラッシャーからの片エビ固めで3カウントを奪った。
“怖い沙弥様”が降臨した。鎖で安納の首を絞めながら会場を引きずりまわし、階段から突き落とした。ラフファイトを仕掛け、OZアカデミーは「正危軍」に所属する安納サオリの狂気を引き出した。鎖攻撃や厳しいビンタ合戦、顔面キックを受け鼻血を流しながらも、最後は顔面へのヒザ蹴りから旋回式スタークラッシャーで決着を付けた。
上谷は「これが現実だよ。残酷だろ。沙弥様のキレイな顔を汚くしやがって、この野郎」と安納を罵倒。スターライト・キッドが次期挑戦者に名乗り出ても「可愛い子猫ちゃんよ。いつもうるさいんだよ。でもいいよ。いつでもどこでもやってやるよ」と挑戦を受諾。来年2・7エディオンアリーナ大阪大会での激突が濃厚だ。
最後に上谷は「しもべたちよ!」と呼びかけると、感極まり涙声になった。「この1年を振り返ると、いろんなことが有ったけれど分かったことがある。私の生きる場所はスターダムのリングってことだ。オマエらが見たことのない景色を見せてやる。しもべたちよ跪け。永遠にさようなら!」。そう言い放ち、今年最終戦を締めくくった。
今大会は両国国技館では団体史上最多、歴代でも2位(1位は25年4・27横浜アリーナ大会=7503人)となる6563人の観衆が集った。年間観客動員でも2023年の9万7367人(135大会)を上回り、10万1418人(127大会)と団体初の年間10万人を突破した。
その躍進をけん引した上谷沙弥。9月にTBS系「ラヴィット!」で地上波テレビでは23年ぶりとなる生放送で女子プロレス試合を実施するなど、リング内外で大暴れした。
2026年は新日本の1・4東京ドーム大会で、朱里とIWGP女子&STRONG女子の2冠戦に挑む。バックステージでは「いろんなことがあり毎日気が狂いそうで、逃げ出したいこともあった。自分から逃げなかったし、プロレスと毎日向き合い続けた。だからこそ、誰も手に入れられないものを手にしたと思うし、私はこれからもプロレスのために生きる。そしてスターダムのリングで黒く光り輝きつづける」と宣言。さらなる大暴れを続けそうだ。