<SoftBankウインターカップ2025全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠97-71東山>◇29日◇東京体育館…
<SoftBankウインターカップ2025全国高校バスケットボール選手権:福岡大大濠97-71東山>◇29日◇東京体育館◇男子決勝
福岡大大濠が、史上7校目の2連覇を果たした。初制覇を目指した東山(京都)を97-71で下し、ノーシードから5度目の頂点に駆け上がった。ゲームキャプテンを務める榎木璃旺(りお、3年)が、3点シュート6本を含む両チーム最多の22得点。献身的な姿勢でも支え、下級生中心のチームを日本一に導いた。
優勝の瞬間。榎木を満たしたのは、爆発的な喜びではなく、にじみ出すような安堵(あんど)感だった。「全ての勝敗は自分にかかっているという気持ちで挑んできた。役割を遂行できたことが日本一につながった」。1年時から伝統校の司令塔を担い続けた。重責に「逃げ出したくなる時もあった」がこの日も序盤から冷静にゲームメーク。最後まで相手に主導権を渡さず、完勝で頂点へ導いた。
高校総体は準々決勝敗退、ウインターカップ予選は2位とライバルの後塵(こうじん)を拝した。11月上旬の「U18日清食品トップリーグ」の東山戦。3年生全員がメンバーを外された。片峯監督から「精神的な柱がいない。能力があるから勝てるような甘い世界ではない」と叱咤(しった)され、学校に残りテレビ観戦。榎木を中心に話し合いを重ね、役割に向き合った。本田や白谷ら下級生が軸のチームだが「得点になる部分ではなく、出ていない時の声かけやリバウンドやルーズボール。そういう泥くさい部分では絶対に負けていないし、絶対に続けよう」と再確認。「パズルは角の部分が大切」と鼓舞し、献身的な姿勢で一枚岩にした。
連覇にも「90点」と評した。その理由は「後輩にはここで満足して欲しくないから」。最後の冬。3年生の背中が、道しるべになった。【勝部晃多】
◆男子ベスト5 吉岡陽、本田蕗以、白谷柱誠ジャック(以上福岡大大濠)佐藤凪、中村颯斗(以上東山)