NHKは28日、「NHKスペシャル メジャーリーガー大谷翔平 2025」を放送。ドジャース大谷翔平投手(31)が、二刀流…

NHKは28日、「NHKスペシャル メジャーリーガー大谷翔平 2025」を放送。ドジャース大谷翔平投手(31)が、二刀流を再開したメジャー8年目の今季を振り返った。

ワールドシリーズ(WS)進出が懸かった大一番のナ・リーグ優勝決定シリーズ第4戦。大谷は先発としてマウンドに上がり、7回途中無失点の快投でチームを2年連続のWS進出へ導いた。

その舞台に立つまでの道のりは、決して平たんではなかった。二刀流復活に向けた本格的な始動は今年2月。31歳を迎えるシーズンを前に、大谷は強い覚悟を胸に秘めていた。「年も中堅からベテランになっていくなかで、もう1回手術する機会が訪れたときに、また1年半リハビリをやっていくのはあまり現実的でない。(二刀流は)最後のチャンスという感じはしている」と振り返る。

プロ入り後5度目の手術明けとなった今季。23年9月には、2度目の右肘手術を受けた。

今季は23年以来の二刀流復活を目指し、投球フォームにも大きな変化を加えた。手術前はセットポジションから投げていたが、今季は左足を後方に引き、勢いをつけて投げる「ノーワインドアップ」へ変更した。

投球の根幹に関わるフォーム変更。その意図について、大谷はこう語った。

「今まで試合の中ではコマンドを重視するというか、コントロールの方を重視して投げてはいるので。ただ術後に関してはコマンド力は1年間ぐらい辛抱しないと上がってこなかったりとか」。実際に四死球が増えている感覚はデータにも表れており、リハビリの過程でもそれを感じていたという。

そこで大谷は発想を切り替えた。「ある程度アバウトでも、フォームの勢いというか。軽く投げながらしっかりとした95~96マイルの球速帯でしっかり投げられる。肘の負担も考えての方がいいのかな」。球速と体への負担軽減を両立させるため、フォーム変更に踏み切った。

マーク・プライアー投手コーチも、その決断が大谷自身の提案だったことを明かしている。プライアー投手コーチは「彼は投球フォームを変えたがっていた。投球にエネルギーやリズムを取り入れようとしたからだ。私たちもその提案を気に入り、賛成した。大谷は投打の両方で非常に微妙な体の動きを感知できる。それを視覚化することで体を操ることができる」と語る。

31歳になるシーズン開幕前に下した決断とともに、再び二刀流の道を歩み始めた。