プロボクシングIBF世界フライ級王者の矢吹正道(33=緑)が初防衛から一夜明けた28日、愛知・常滑市の中部国際空港で会見…

プロボクシングIBF世界フライ級王者の矢吹正道(33=緑)が初防衛から一夜明けた28日、愛知・常滑市の中部国際空港で会見を行い、次戦への意欲を語った。

27日に同級1位で元IBF世界ライトフライ級王者のフェリックス・アルバラード(36=ニカラグア)と対戦し、12回1分59秒KO勝ち。3月のアンヘル・アヤラ(25=メキシコ)戦に続く最終12回のKO勝利で、KO勝率を94・7パーセントにまで上げた。

試合後はなかなか寝付けなかったという王者は「落ち着いてやれたことが1つ、あとはセコンドの言うことを聞いたこと。特に弟の存在はでかかった。全部指示に従ってやっていた」と勝因を分析。弟の力石政法(31=大橋)の「下がるな、ガード固めて前に行け」という声のおかげで「ちょっとずつやりやすい展開になっていった」と話した。

試合を振り返ってまず頭に浮かぶのは、ダウンを奪った場面だといい「11ラウンドで倒れた時に『お、倒れた。倒れん選手が倒れた』みたいな感じだった」と、過去46戦でダウン経験がなかったアルバラードをリングに沈めた光景をハイライトに挙げた。

SNS上ではサウジアラビアで行われた興業よりもおもしろい試合だったという声が多いことを伝えられると「井上尚弥選手や中谷潤人選手というすごく有名な選手が出ている中で、ボクシングファンの方からそうやって言ってもらえるのはうれしい」と素直に喜んだ。

注目が集まる次戦については「ビッグマッチがしたい。上の階級にしろ、統一戦にしろ、準備してやりたい」と発言。スーパーフライ級に上げて3階級制覇を目指すか、フライ級での統一戦のどちらかは絞らずチャンスを待つつもりでいる。「統一戦なら今2人(WBA、WBC王者リカルド・サンドバル、WBO王者アンソニー・オラスクアガ)の強いチャンピオンがいるからどっちでもいいし、階級を上げてチャレンジもしたい。チャンスがあればそこに向かってやりたい」と話した。

気になるボクサーには、21年ボクシング世界選手権バンタム級で日本人初の金メダルを獲得したWBC世界スーパーフライ級2位坪井智也(29=帝拳)の名を挙げた。11月24日に東京・トヨタアリーナで行われた興業で、元WBC世界スーパーフライ級王者の現WBC世界同級1位カルロス・クアドラス(37=メキシコ)に8回TKO勝ちした試合を観戦し「元世界王者相手に圧倒するのを目の前で見させてもらった。でも自分、いけるなと思っちゃったんで、もしチャンスがあるならやりたいです」。現時点では矢吹の3階級制覇の相手とはならないが、坪井には日本人男子最速記録となる4戦目での世界挑戦も期待されているだけに、矢吹の興味が対戦実現につながる可能性もある。

戦いを終えたばかりではあるが、長く休むつもりはない。「やっと解放された感じだけど、腕とかの打撲の痛みが取れたら練習はすぐ再開したい。年明けすぐ走ると思う」と新年早々動き出す考え。さらなる飛躍を目指す26年に向けては「ボクシングは負けたら終わり。勝ち続けたい」と力強く言い切った。【永田淳】