男子ゴルフでツアー最多94勝を誇り「ジャンボ」の愛称を持つプロゴルファーの尾崎将司さんが23日午後3時21分、S状結腸が…
男子ゴルフでツアー最多94勝を誇り「ジャンボ」の愛称を持つプロゴルファーの尾崎将司さんが23日午後3時21分、S状結腸がん(ステージ4)のため78歳で死去した。24日、長男の智春さんの名前で発表された。葬儀は故人の遺志により、近親者のみの家族葬として執り行うという。後日、お別れの会の開催を予定している。
ゴルフ界のレジェンドは異色の経歴から誕生した。徳島・宍喰(ししくい)町の出身で5軒隣がプロ野球で後の阪急などで名将となった上田利治の自宅だった。「私とは10年違いの先輩と後輩であり、身近には感じられなかったですが、初めてのプロ選手であり目標でした」。背中を追うように同じ海南高(現海部高)で投手として活躍。64年の選抜大会に初出場。決勝では尾道商のエース小川邦和(後に巨人、広島)に投げ勝って初出場初優勝を飾った。
翌65年にプロ野球の西鉄に入団。1年目に17試合に登板し、0勝1敗、防御率4・85。2年で通算20試合、防御率4・83だったが、同期の池永正明の投球を見てかなわないと感じ外野手に転向した。67年は外野手として29試合で打率4分8厘にとどまり、退団した。
その後、プロ野球時代にハマったゴルフでプロの道を再び歩み、一時代を築いた。一方で01年にOBによるリーグとして発足したプロ野球マスターズリーグの福岡ドンタクズに入団。「黒い霧事件」で永久追放となり31年ぶりに「復帰」した池永さんとベンチ入りし、実に33年ぶりに一緒になった。
◆尾崎将司(おざき・まさし)1947年(昭22)1月24日、徳島県生まれ。徳島・海南高野球部で64年センバツ優勝。プロ野球西鉄に入団も、21歳でゴルフに転向。70年プロ合格、71年日本プロ選手権で初優勝。ツアー最多94勝をはじめ年間最多勝(72年国内9勝)、72ホール最少スコア(260)、ツアー連続優勝(3週連続)、55歳8カ月の最年長優勝などの記録を持ち、過去12度賞金王に輝く。05年6月マンダムよみうりでプロ通算1000試合出場を達成。「ジャンボ」の愛称で親しまれる。国内112勝、海外1勝。181センチ、90キロ。