「ジャンボ」の愛称で親しまれ、日本で最多の通算112勝(うちツアー94勝)を挙げたプロゴルファーの尾崎将司(おざき・まさ…
「ジャンボ」の愛称で親しまれ、日本で最多の通算112勝(うちツアー94勝)を挙げたプロゴルファーの尾崎将司(おざき・まさし)さんが23日、S状結腸がんのため死去した。24日に親族が発表した。78歳だった。尾崎さんは国内ゴルフツアーなどで、輝かしい成績を残したが、最近は指導者としても実績を挙げていた。
ジャパンゴルフツアー選手会長の谷原秀人(47)が日本ゴルフツアー機構(JGTO)を通して以下のようなコメントを出した。
「訃報に接し、ただただショックを受けています。最大限の敬意と感謝をこめて、ジャンボさん、と呼ばせていただきます。ジャンボさんには僕がプロ転向してすぐの頃から、とてもかわいがっていただきました。
2003年の「マンダムルシードよみうりオープン」で、ジャンボさんを逆転して初優勝できたときにはなんだか急に一人前になれた気がして、胸が震えるほど嬉しかったことを、今でも覚えています。
ファンのみなさんには豪快で、憎らしいほど強いイメージしかないかもしれませんが、ジャンボさんほど繊細で、シャイで、優しくて、面倒見のよい人はいません。僕もよく練習を見ていただきました。30歳のころからジャンボさんのご自宅にもお邪魔させていただけるようになりましたが、そのたびにすさまじい練習量とゴルフ愛にも圧倒されるばかりでした。
肋骨が折れている、とわかっても「ヒデ、大丈夫だ。原因が分かったからいいんだ」と笑って、痛いのに練習をやめようとしない。ジャンボさんのライバルの青木さんもそうですが、このお2人のゴルフ熱に勝てる人間は、この世界に誰もいない、と僕は思っています。
今年になってかなり体調が悪いと聞いていましたが、病名や症状は誰にも明かさなかった。たぶん、そういう姿を誰にも見せたくないし、知られたくなかったからではないか。
最後の最後まで、そういう美学を貫く姿にも、真のプロゴルファー像を見せていただいた思いです。
長嶋茂雄さんを崇敬されていた。まさか、同じ年にジャンボさんまで失ってしまうとは。
もっともっとお話がしたかった。もっともっと、教えていただきたいこともたくさんありました。今はただ哀しくて、寂しくて、無念の思いで一杯です。
ジャンボさんと過ごした時間と思い出は、一生忘れません。これからも、僕らのことを見守っていてください。よろしくお願いします」