バスケットボールの高校日本一を決める第78回全国高校選手権(ソフトバンク ウインターカップ2025)男子1回戦。八千代…
バスケットボールの高校日本一を決める第78回全国高校選手権(ソフトバンク ウインターカップ2025)男子1回戦。八千代(千葉)は柳ケ浦(大分)の長身留学生選手に圧倒され、序盤に2―17と、いきなり大差をつけられた。藤橋洋輔コーチのタイムアウトで、冷静さを取り戻した。
「守備から足を動かして、やられたらやりかえせ」
直後にエースの沢口陽(3年)のシュートが決まると、伝統のオレンジ色に染まったスタンドが大歓声に包まれた。
ウインターカップへの出場は21年ぶりだった。男子では、初出場校を除いて最長のブランクになる。観客席の横には「オレンジ旋風」と書かれた横断幕が張られていた。3階席にまで広がるオレンジ色のシャツを着た部員たちが、声を出し続けた。
千葉の県立高で、進学校として有名だ。部員は男女合わせて100人を超えるというが、練習で使えるバスケットコートは1面しか無い。部活動の時間は午後7時まで。主力選手の中には毎年、大学受験のため秋までに引退する3年生もいる。そんな環境でも出場をかなえた。沢口も「朝も授業が始まる前まで練習をして、工夫してきた」という。
藤橋コーチから「ゴールが空いたら打っていけ」と指示が飛び、得点源の駒木歩輝(2年)も輝きだした。4本の3点シュートを決め、沢口の21得点に次ぐ15得点を決めたが、チームは65-73で敗れた。「3年生とやれるのは最後。勝たせたかった」と悔やんだ。
同校OBでもある藤橋コーチは自身の現役時代、ウインターカップへの出場はかなわなかったが、今回の出場で手応えを得た。試合終盤には5点差にまで詰め寄った選手たちのがんばりを振り返り、「文武両道を掲げながらプレーするバスケの楽しさを伝えられたと思う。もう一回試合がしたい」と笑った。(高億翔)