就任2年目の楽天ジュニア・寺岡寛治監督が重視する「準備」 逸材小学生が集って日本一を争う「NPBジュニアトーナメント K…

就任2年目の楽天ジュニア・寺岡寛治監督が重視する「準備」

 逸材小学生が集って日本一を争う「NPBジュニアトーナメント KONAMI CUP 2025」(26日~29日、神宮球場、横浜スタジアム)で、東北楽天ゴールデンイーグルスジュニアは2018年以来7年ぶりの優勝を狙う。昨年は予選トーナメントで2戦2敗に終わり、決勝トーナメント進出を逃した。大舞台で勝つために必要なものは何か。就任2年目の寺岡寛治監督に、昨年感じた「課題」と今年追い求めた「変化」について話を聞いた。

「普段と雰囲気の違う、プロの1軍が使う球場で試合をするので、どうしても子どもたちは地に足が着いていないように見えました。環境が変わっていつもできていることができなくなったので、今年はそれをなくすための『意識付け』を徹底しています」

 一昨年はコーチ、昨年は監督としてベンチに入った寺岡監督は、いずれの年もメンタル面の課題を痛感した。今年は練習試合からダグアウトでの道具の配置を固定し、試合前の動きをルーティン化するなど、大舞台で本領を発揮するための「意識付け」を重点的に行ってきた。試合前の「準備」を習慣づけることが、どの球場、環境でも落ち着いてプレーすることにつながるとの考えだ。

 寺岡監督は「普段の行動が必ずグラウンドで出る。普段準備をダラダラしている選手がグラウンドの中でキビキビと動くことはできない」とも口にする。高い技術を持つ選手たちだからこそ、グラウンド外の行動にこだわるよう求める。

課題は打撃力「振り負けないよう、ボールを強く叩く」

 一方、技術面では打撃力に課題を感じたという。昨年同様、今年も守備力を重視して選考を行い、当初は守備練習に力を入れたが、「点を取らないと勝てない」との考えで12月に入ってからは打撃練習をメーンに据え強化を図ってきた。

「スイングが弱いと速いピッチャーに押されてしまう。とにかく押されないように、振り負けないように、ボールを強く叩くよう言っています」と寺岡監督。振り負けないことの大切さを何度も伝えて力強いスイングを習得させるとともに、「当たらなくてもいいから初球から振ろう」と指示して「振る癖」をつけさせた。

 寺岡監督は「なぜか東北の子は、関東などの子と比べて打撃面が弱い。解けない謎です」と苦笑いを浮かべるが、差を埋めるための努力は尽くした。「昨年は先制点を許して追いかける苦しい展開になったので、今年はその逆をやりたい。先制して、追いかけられる展開を作るイメージで戦います」。昨年の反省を糧に勝利をつかみにいく。(川浪康太郎 / Kotaro Kawanami)