ワールドカップ観戦の際に、ホテルや飛行機の予約など面倒ごとは多々あるが、開催国に到着したからといって安心はできない。な…
ワールドカップ観戦の際に、ホテルや飛行機の予約など面倒ごとは多々あるが、開催国に到着したからといって安心はできない。なかでも「移動」はトラブルがつきもの。蹴球放浪家・後藤健生は、これまでの苦い経験から早くも来年のワールドカップ取材への対策を練っているが…。
■便利なシャトルバス
2026年ワールドカップの日程が決まりましたが、日本代表のグループリーグの試合はテキサス州ダラスとメキシコのモンテレイで行われることになりました。というわけで、来年はダラスに長期滞在することになりそうです。
まあ、おかげさまで、アメリカ国内を飛行機を使ってあちこち飛び回る必要はなくなりました(日本がベスト8入りでもしない限りは……)。1か所に滞在しているほうが肉体的にも楽ですし、旅費もかからずにすむので大助かりです。
しかし、試合会場のAT&Tスタジアム(NFL「ダラス・カウボーイズ」のスタジアム=ワールドカップ期間中は命名権禁止規定のため「ダラス・スタジアム」と呼ばれる)は、ダラス市内ではなくアーリントン市にあってちょっと不便な場所のようです。
ダラス都市圏には「ダラス」と「フォートワース」という2大都市が存在しますが、アーリントンはちょうどその中間地点。ダラス市内は都市鉄道やバスのネットワークが存在しますが、スタジアムそばには路線バスも走っていないようなのです。
こういうときは各地からスタジアムまでのシャトルバスが運行されるはずです。また、ADカードを持っていればFIFA指定のメディアホテルまで行けば、そこからメディア用シャトルに乗ることもできます。今回も、その方式になるでしょう。
■ブラジルの危険地帯
1994年のアメリカ・ワールドカップのときも、基本的にメディア用シャトルを利用していましたが、たいていはガラガラで貸し切り状態になって、とても快適でした。
2014年のブラジル・ワールドカップのときもメディア用シャトルのお世話になりました。
バイーア州サルヴァドールに行ったときのことです。サルヴァドールはブラジルの古都で、その旧市街に泊まっていたのですが、とても面白い街でした。
そして、いつものようにシャトルバスでスタジアムに向かっていたのですが、ふと地図を見ると、スタジアム(アレーナ・フォンチ・ノヴァ)は旧市街から歩いても行ける距離にあるようなのです。
じゃ、街歩きでも楽しんでみようかと思って歩き始めたのです。旧市街から、坂を下って、また少し登るとスタジアムに着きそうです。
ところが、少し歩きかけて、それはとんでもない間違いだったことに気付きました。
明らかに貧しい住民が暮らしている、いわゆるファヴェーラ(スラムや貧民街)のようなのです。そんなところに足を踏み込んだら、戻って来られるかどうか……。
というわけで、やっぱりその後も、シャトルバスで少々遠回りをしながらスタジアムに通ったというわけです。
■労働者用住宅から出発
2022年のカタール・ワールドカップでもシャトルバスのお世話になりました。
カタールには肉体労働に従事する大量の、主にインド亜大陸系の外国人労働者が働いていて、そうした労働者用住宅が砂漠の中に点在しています。中層アパート群が立ち並んでいて、周囲を高い塀に囲まれています(もちろん、逃亡を防ぐのが目的です)。敷地の中には、さまざまな店舗やモスクなどもそろっていて、外に出ないでも生活できるようになっています。
新しく建設された労働者用住宅がワールドカップの観客用に解放され、1万人以上のサッカーファンが一緒に生活していたのです。そして、そこから各スタジアムに向けてシャトルバスが運行されていました。地下鉄を使ったほうが便利なスタジアムもありましたが、多くのスタジアムにはシャトルで往復しました。