<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇最終日◇東京・代々木第一体育館◇女子フリーショートプログラム(SP)首位の…
<フィギュアスケート:全日本選手権>◇21日◇最終日◇東京・代々木第一体育館◇女子フリー
ショートプログラム(SP)首位の坂本花織(25=シスメックス)が女子5人目の5連覇を飾り、26年2月のミラノ・コルティナ五輪代表に内定した。フリーも1位の154・93点で、国際スケート連盟(ISU)非公認ながら今季世界最高の合計234・36点。22年北京大会では団体銀、個人銅メダルに輝き、3大会連続の五輪では日本フィギュア初の「金銀銅コンプリート」も視野に入る。ジュニアの島田麻央が228・08点で2位、千葉百音(ともに木下グループ)が216・24点で3位となった。
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千葉が悪夢を払拭し、笑顔で滑り切った。フリー4位の141・64点とし、SPから1つ順位を上げて3位。世界トップ6人が集った今月上旬のGPファイナルではSP首位から5位となって涙したが、この日は晴れやかな表情を浮かべた。「大きなミスなく終えられてすごくうれしい」と素直に喜んだ。
昨季の世界選手権銅メダルに続き、今季も10~11月のGPシリーズを女子唯一の2連勝と好発進したが、ファイナルで暗転した。フリーでは極度の緊張から、2本の3回転ジャンプで転倒。「今季一番の屈辱。自分を裏切る形に終わってしまった」と悔やんだ。そこから2週間は「新しい強い自分でいよう」と決心。「今までで一番濃い」と胸を張れるほどの練習を積んできた。
この日の演技前は「自分は弱くない」と言い聞かせた。前戦で失敗したループ、サルコーの3回転を、ともに耐えながら着氷。全7本中の4本のジャンプで減点を受けるも、武器のスピンとステップシークエンスは、全て最高難度のレベル4。「何とか最後までこぎつけた」と安堵(あんど)の笑みがあふれた。
仙台市出身の20歳。4歳で競技を始め、幼少期には同じアイスリンク仙台を拠点としていた五輪2連覇王者の羽生結弦さんと鬼ごっこをした思い出もある。23年春から京都に拠点を移して3年目。同郷の偉大な先輩を追うように「自分はもっと完璧な演技ができる」と高みを目指していく。【藤塚大輔】