「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、国立代々木競技場) ミラノ・コルティナ五輪の最終選考会として女子フリーが…

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(21日、国立代々木競技場)

 ミラノ・コルティナ五輪の最終選考会として女子フリーが行われた。SP5位の渡辺倫果(23)=三和建装・法大=は、フリー140・16点、合計211・52点をマークした。代表3枠目を争っているライバル・千葉百音(20)=木下グループ=とあった3・24差の逆転を目指しての演技だったが、その後、千葉に上回られ、厳しい状況となった。五輪代表は、全競技終了後に行われる選考委員会を経て発表される。

 冒頭のトリプルアクセルを3回転トーループとの連続ジャンプで成功。続くトリプルアクセルも鮮やかに決めた。その後も3回転フリップ、3回転ルッツからのダブルアクセルも着氷。後半の3回転ルッツ、ダブルアクセルからの3連続ジャンプ、3回転ループも降りた。演技後は倒れ込んで、感極まった表情を浮かべた。

 今季のGPシリーズでは中井亜美(TOKIOインカラミ)、千葉ら五輪切符を争うライバルが成績を残す中、焦らずに調子を上げた。第2戦中国杯で3位に入ると、第5戦スケートアメリカでは2位。GPファイナルは6位に沈んだが、大技のトリプルアクセルに挑戦し続け、手応えをつかんできた。

 五輪出場の明暗を分ける今大会。この日の演技を終え「プライド高く掲げてやってきたこの大会、特に自分が納得のいく演技っていうのはできたとは思うんですけれども、ただ、それにまだ点数がついてきていないので、ちょっと複雑な気持ちではあります。たちょっと調子を整理して考えていきたい」と時折涙声になりながら、整理がついていないような表情を浮かべた。

 完璧に決めた2本目のトリプルアクセルについては「すごく良かったなと思います」と自賛し「本当に自分のプライドをかけたこのフリープログラム、しっかりそれはやることができたので、その点については良かった」と振り返った渡辺。今後については「いったん周りの方々だったり、ちょっとお話をして、どうしていくかは今後決めていこうかなと思います」と慎重に言葉を選んだ。