日本ハム山崎福也投手(33)が感動した。21日、エスコンフィールドで開催された「みんなのXmas音楽祭」で、自身の登場曲…
日本ハム山崎福也投手(33)が感動した。21日、エスコンフィールドで開催された「みんなのXmas音楽祭」で、自身の登場曲を歌う同い年のBigfumi(ビッグフミ)と共演した。一緒にステージに上がり、真横で自身のために制作された「サチあれ!」を聞いた。山崎は「緊張というか、恥ずかしいですよね(笑い)。なんか、初めての経験でしたね。もちろんね、うれしいですし、こういう機会がなかなかないので」と笑顔を見せた。
同曲はオリックスから日本ハムへFA移籍1年目の24年シーズンから登場曲として使用している。その経緯について、Bigfumiは「FAで日本ハムに入った年の2月のキャンプで、この曲ができるんですけど。なんか『作って』って言われて(笑い)。もともと『Life』を気に入って(登場曲に)使ってくれてたんで『ちょっとそれを超えられるかわかんない』って僕が素直に話したら『もう一生、使う』って言ってくれて、沖縄の名護にある、しゃぶしゃぶ屋で決まりました(笑い)」と明かした。
山崎の依頼を受けたBigfumiは、その日の夜にはサビ部分を手がけたという。24年シーズンの山崎は本拠開幕戦での先発が内定していたため、お披露目日まで約2カ月という期間で「とにかく(登場曲の)1番だけを作ってレコーディングして」と超速仕上げ。制作途中で都度、歌詞やメロディーを送ってもらっていた山崎も「作ってもらってるんでね、ノーはないですね(笑い)」と笑顔で当時を振り返った。
歌詞も中学3年の時に北大病院で、生存率1割に届かないかもしれない脳腫瘍(小児延髄上衣腫=じょういしゅ)の難手術を受けた山崎の人生も投影している。
サビで出てくる「与えられたこの人生に明日なんてないから」という一節。Bigfumiは他の楽曲で「明日はある」という歌詞を書いてきたが、この曲だけは正反対のフレーズを採用した。「これって、彼がポロッとその時(名護のしゃぶしゃぶ屋での会食中)にしゃべった『先発は明日取り返せない』っていう。また中6日が空いた来週に取り返す。その人生と彼が患った病気も、明日がないっていうことを直面したっていうところが、僕の中では結構みなさんに伝えたくて。だから先発、そして脳腫瘍と戦った彼に向けたメッセージになってます」と明かした。
山崎にとっても「僕自身もいろいろと思い出せるというか、聞いていて昔を振り返られるって感じはしますね」と染み込む歌詞。来季はもっとエスコンフィールドで、この登場曲を響かせたい思いがある。
エスコンフィールドでは完投目前の9回のマウンドに上がる際には、登場曲がもう1度流れる演出がある。「今年はここ(エスコンフィールド)で完投完封してない。全部(2度とも)ZOZOマリンだったんで。エスコンで、そういうピッチングができるように頑張るしかないです」。本拠地での完投は24年5月14日西武戦の1度のみ。やはりホームでの完投は「全然違います。もうやっぱりホーム球場なんで、別格っすね。1試合で2回、流したいです」。移籍3年目となる来季は何度も「サチあれ!」を球場に響かせて、チームの覇権奪回の力になる。【木下大輔】