ホープフルSのGI昇格に伴い、2歳王者決定戦から2歳マイル王決定戦へと性格を変えたが、2歳馬にとって重要な1戦である…

 ホープフルSのGI昇格に伴い、2歳王者決定戦から2歳マイル王決定戦へと性格を変えたが、2歳馬にとって重要な1戦である事に変わりはない。舞台となる阪神競馬場芝1600mコースは、向正面の中ほどからスタートして、外回りを使用するワンターンコース。スタートから4角手前まではほぼ平坦だが、残り600m付近からゴール前200m付近まで緩やかに下り、残り200m付近からゴールにかけて高低差1.6mの急坂が待ち構える。ごまかしの利かないコース形態ではあるが、極端なハイペースにはなりにくく瞬発力が問われるケースが多い。

 ◎カヴァレリッツォはデイリー杯2歳S2着。このレースは従来の2歳コースレコードを0.1秒更新する1分33秒1での決着だったが、京都競馬場の外回りコースらしく最初と最後が速く、坂を登って下る中盤はペースが落ちる展開。この馬は伸びあがるようなスタートから1度最後方に下げて、坂を登りながらポジションを上げて1度は先頭に。結果的には人気を分け合っていたアドマイヤクワッズに頭差先着を許したものの後続には大きな差をつけた。まだ粗削りなレース運びだった分だけ、伸びしろを感じさせる内容だった。

 〇アドマイヤクワッズはデイリー杯2歳S優勝馬。先に上がっていったカヴァレリッツォをマークするような位置取りから最後はインコースに潜り込み、力でねじ伏せるようにして重賞ウイナーの仲間入りを果たしている。デビュー戦は最後の3ハロンが11.5秒、11.3秒、11.2秒という加速ラップで逃げ、先行馬が1・2着を占める中でしっかりと勝ち切った。現時点での完成度はこちらに軍配が上がりそうだ。

 ▲リアライズシリウスは新潟2歳S優勝馬。500kgを超える恵まれた馬体の持ち主で、東京競馬場芝1600m新馬戦を7馬身差で逃げ切ったあと、続く新潟2歳Sでは、後に阪神JF3着、アルテミスS3着のタイセイボーグと、ファンタジーSを勝つフェスティバルヒルが激しい2着争いを尻目に、4馬身差で楽勝した。当時はまだゲートに不安を残していたが、どうだろうか。

 △エコロアルバはサウジアラビアRC優勝馬。離れた最後方から直線だけでゴボウ抜きを決めたパフォーマンスは印象に残るし、それが11.5秒、11.3秒、11.2秒というレースラップの中で記録したものだけに価値が高い。今回が初の右回り実戦となるが、直線の長い阪神外回りコースならばパフォーマンスに大きな影響は出ないのではないか。

 京王杯2歳Sが鮮やかだった△ダイヤモンドノットと、ベゴニア賞2着△コルテオソレイユ。△スペルーチェはデビュー戦でアドマイヤクワッズと差のない競馬をして、2戦目は楽勝。どんなレースを見せてくれるか、楽しみな1頭だ。