「フィギュアスケート・全日本選手権」(20日、国立代々木競技場) 男子フリーが行われ、2022年北京五輪銀メダリストで…

 「フィギュアスケート・全日本選手権」(20日、国立代々木競技場)

 男子フリーが行われ、2022年北京五輪銀メダリストで、ショートプログラム(SP)首位の鍵山優真(22)=オリエンタルバイオ・中京大=が大会2連覇で2大会連続五輪代表に決定した。2位に佐藤駿(エームサービス・明大)、3位に三浦佳生(オリエンタルバイオ・明大)が入り、五輪代表入りを濃厚とした。ペアのSPは三浦璃来、木原龍一組(木下グループ)が首位に立った。アイスダンスのリズムダンス(RD)は吉田唄菜、森田真沙也組(木下アカデミー)がトップ。21日は女子、ペア、アイスダンスのフリーを実施し、全4種目の代表が発表される。

 「りくりゅう」が“世界最高得点”で首位発進を決めた。三浦が6分間練習で左肩を脱臼するアクシデントがあったが、世界王者の執念を見せつけた。三浦は「ハプニングもあったけど、切り替えて挑むことができた」と、うなずいた。

 経験が生きた。木原も「心臓が止まるかと思った」というほどの事態だったが、昨年のGPファイナルでケガをした過去を無駄にはしない。「積み重ねてきたものがある。自分たちは成長していると話した」と、リンクに立った。

 曲が始まると、一気に観客を2人の世界に引き込んだ。ジャンプなどの技も全て決め、課題だったスピンも最高評価のレベル4。演技後、三浦は安堵(あんど)の涙がこみ上げ、フリーに向け「肩の状態を悪くしないように、自分たちがやってきたことを出せたら」と力を込めた。