<プロボクシング:全日本新人王決勝>◇20日◇東京・後楽園ホールフライ級決勝で、鈴木丈太朗(24=帝拳)が名門ジム31人…

<プロボクシング:全日本新人王決勝>◇20日◇東京・後楽園ホール

フライ級決勝で、鈴木丈太朗(24=帝拳)が名門ジム31人目の全日本新人王に輝いた。

東軍代表として、西軍代表の橋本陸(25=グリーンツダ)と拳を交え、2-1の判定勝利。1回に右フックを効かされて劣勢に立たされたものの、2回以降に左ジャブで試合を組み立て、4回には橋本の鼻から出血も見えた。最終5回には偶然のバッティングで左目上をカットしながらも競り合いを制した。

鈴木は「1回に右を効かされて焦った。3回から戻った。全然、本当にまだまだ。とりあえず勝てたのは次につながった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。初挑戦だった昨年の東日本新人王は2回戦で逆転KO負けを喫し、涙をのんだ。鈴木は「負けてからの1年半、自分なりに全力でやってきたつもり。今はうれしいという気持ち、本当にまだまだという気持ち、悔しい気持ちが強かった」と反省することも忘れなかった。

24年3月から自身のサポートのために地元愛媛から母さやかさん(44)と専門学校生と中学生の妹2人も上京。支えてくれる家族のため、登竜門とされる新人王の「称号」の獲得で、恩返しできた。「本当に1人では絶対にここまで来られなかった」と鈴木。また名門ジムで31人目の全日本新人王となり、来年には日本ランキング入りする。鈴木は「来年の話はできないんで。帰ってまた練習を頑張ります」と最後まで謙虚な姿勢だった。