ツアー110位とツアー5位。両極端の数字が同居する現状を20歳・馬場咲希は「伸びしろ」と表現する。年間ポイントランキン…

馬場咲希が選ぶ「今年の漢字」は悩んだ末に…

ツアー110位とツアー5位。両極端の数字が同居する現状を20歳・馬場咲希は「伸びしろ」と表現する。年間ポイントランキング65位で最上位の出場資格「カテゴリー1」を確保した、堂々のルーキーイヤー。気になるスタッツがあった。

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ラウンドごとの平均スコア。「72.23」のオーバーパーでツアー110位に甘んじる第2ラウンドに対し、第4ラウンドでは「69.1」を記録して同5位に躍り出る。本人も「はい、知ってました」といたずらっぽく笑う。「数字であんなに出ちゃうんだ、あんなに変わっちゃうんだっていうのは、ちょっとビックリしました。でも、伸びしろでもあるし、来年の改善点でもあるなって」。課題をつぶせば、もっと強くなれる。若者らしく、前を向いて意気込む。

思い当たる節はあった。「今年は特にポイントを獲らなきゃいけない試合が多かった。予選落ちしたら、それがゼロになってしまう。1日目と2日目は、そういうところばっかり意識しちゃった試合が多かった」。昨年12月、予選会(Qシリーズ)ファイナルステージ最終日の最終ホールでバーディを奪い、ボーダーラインに滑り込んでツアーカードを得た。リシャッフルをクリアしなければ出場機会が減っていく重圧は、予選ラウンドで極限に達する。それだけギリギリの戦いに立ち向かってきた証しともいえた。

バーディ締めで滑り込み 下部ツアーを戦った馬場咲希が涙、涙、涙の通過

課題を抱えながら駆け抜けたルーキーシーズン

山下美夢有竹田麗央岩井明愛岩井千怜…。同じタイミングで最高峰の舞台に挑むことになったのはいずれも国内ツアーで優勝を重ねてきたトッププレーヤーで、新天地でも早々に勝った。同期でありながら、プロとしては間違いなく先輩に当たる選手たち。「同じルーキーだけど、(ある意味)ルーキーではない感じ。そこから学ぶものはいっぱいあるだろうなって思った」。昨季下部エプソンツアーで1年を経ただけの自分と比べて打ちひしがれるのではなく、少しでも肩を並べられるようになるためのヒントを必死に探った。

意識して目に焼きつけたのは、彼女たちが優勝争いに臨む表情だったという。「私から見ると、あんまりプレッシャーを感じない表情をしているというか。(実際は)感じていると思うんですけど、それを自分なりに楽しさに変えている人もいたし、『やってやるぞ!』って燃えているように見える人もいた。やっぱり、日本で何勝もしている選手たちは自分なりの対処法があるんだろうなって」。技術とともにメンタル面の成長を欲してやまない1年だったからこそ、リスペクトがにじむ。

悔し涙の日曜日 5人目のルーキー・馬場咲希が悩む「私にはない」もの

悔し涙も成長の糧に

今季ラストマッチとなった11月「アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン」を終えた直後、「来年はもっと強い馬場咲希になれるように」と言った。出場23試合で4度のトップ10入りを記録した一方、予選落ちも10度を数えた。ラウンド中、苦しい時に下を向きがちな自分を変えていきたい。「調子が悪いなって感じていても予選を通れるくらい、安定して成績を出せるように。やっぱり、まだまだ心も弱い。自分で『弱い』って思っているのは、ダメかなって。もちろん周りの人にも思ってもらいたいけど、(誰より)自分が自信を持って『強い』って言えるようなプレーヤーになりたい」

濃密だった2025年を表す漢字一文字を表すなら?書道の経験はないものの、きれいに「転」と書いた。「『転』ぶって意味じゃないですよ!」と笑ってから、「去年Qシリーズで最後のパットが入ったことによって、今年1年はいろんな経験ができた。LPGAで1年間プレーして、シードも獲れた。いい風に変わった年でもありますし、心に関してもいっぱい『転』機があった」。キャリアのターニングポイントを振り返り、これから続く冒険に思いをはせた。(編集部・亀山泰宏)

20歳ルーキーが得た“勲章”と逃したエリートフィールド「来年はもっと強い馬場咲希に」

<放送日時>
「THE ROOKIES 純真な一年、永遠の輝き」
WOWOWライブで12月20日(土)午後9時から放送
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