WBCで連覇を狙う侍ジャパンに対し、最強の米国チームが結成された。米大リーグ機構は18日(日本時間19日)、今季ア・リー…

WBCで連覇を狙う侍ジャパンに対し、最強の米国チームが結成された。米大リーグ機構は18日(日本時間19日)、今季ア・リーグのサイ・ヤング賞左腕、タリク・スクバル(29=タイガース)が米国代表入りすると発表。既にナ・リーグの同賞右腕、ポール・スキーンズ(23=パイレーツ)も代表入りを表明済みで、史上初めて前年サイ・ヤング賞がそろい踏みとなる。両国が対戦する可能性があるのは準決勝以降。野手もジャッジ(ヤンキース)ら好選手がそろい、17年以来の世界一へ、史上最強メンバーで臨む。

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ドジャース大谷翔平を擁する日本の連覇を許すまじと、野球発祥の国が投打に大物役者をそろえた。スクバルは、2年連続でサイ・ヤング賞(C・Y賞)&防御率1位という現役最強左腕。スキーンズとの左右両輪が、がっちりと形成された。過去のWBC米国代表では、13年の第3回大会にR・Aディッキー(ブルージェイズ)が前年度C・Y賞投手として参加したことがあるが、2人同時にそろったのは初めてだ。

これまでになく、米国代表は熱を帯びている。スクバルに加え、この日は今季のナ・リーグ最多奪三振で15勝を挙げたローガン・ウェブ(29=ジャイアンツ)の参加も発表された。さらに、救援陣では最速104マイル(約167キロ)の救援右腕メーソン・ミラー投手(27=パドレス)に、今季ヤンキースなどで27セーブを挙げたデービッド・ベッドナー(31)も代表入り。たった一夜にして超豪華投手陣が完成した。

これまでの米国は、打者はトラウト(エンゼルス)やベッツ(ドジャース)ら一流でも、スター投手は故障防止のため、保険適用が難しいなどの理由で、出場を回避する傾向にあった。スクバルは今季195回1/3、スキーンズは187回2/3を投げているが、3月6日初戦、3月17日決勝というスケジュールをいとわなかった。例年より早めの調整を強いられる上に、スクバルは順調なら来オフにFAとなる。絶対に故障できない年にもかかわらず、前回大会決勝で「大谷対トラウト」の歴史的名場面を生んだ大会に参加する道を選んだ。

援護する打線は、これまで同様にスターがひしめく。2年連続ア・リーグMVPのジャッジが初出場で主将を務め、捕手初の60発男ローリー(マリナーズ)も初出場する。さらに大谷を抑えてナ・リーグ本塁打王を獲得したシュワバー(フィリーズ)に、23本塁打、88打点の遊撃手ウィット(ロイヤルズ)ら、まさにオールスターメンバー。ドジャースの正捕手スミスが、控えに回る可能性さえある。日本代表も、現役メジャーリーガーが過去最多の4人を超える可能性は高いが、米国の壁は前回大会より比較にならないほど高くなった。【斎藤直樹】

◆大谷との対戦は スクバルとは通算9打数1安打。エンゼルス時代の21年に3打数0安打、ドジャースでの24年に3打数0安打。今季は3月27日に対戦し、通算8打席目で初安打。今年は球宴でも対戦があり、中安打を放っている。スキーンズとは通算11打数2安打。初対戦は24年6月5日で、第1打席で三振を喫するも、2打席目に161キロを本塁打。同年は6打数2安打も、今季は5打数0安打に抑えられた。