ムエタイRWSの「ラジャダムナンスタジアム80周年記念大会R80」(27日、タイ・ラジャダムナンスタジアム)で、RISE…
ムエタイRWSの「ラジャダムナンスタジアム80周年記念大会R80」(27日、タイ・ラジャダムナンスタジアム)で、RISE世界スーパーフライ級(-53キロ)王者の大﨑一貴(29=OISHI GYM)が、ラジャダムナンスタジアム認定バンタム級(-118ポンド=約53.5キロ)王者のジャルンスック・ブーンラナームエタイ(19=タイ)に挑戦する。大﨑一はそれに先がけ、ムエタイでも活躍するRISE世界スーパーライト級王者チャド・コリンズ(30=オーストラリア)と初対談を行った。RISEが公開したその様子を一部抜粋で紹介する。
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-おふたりが交流を持つようになったきっかけはいつくらいからですか
一貴「最初はチャドの方から『君のファンです。ファイトスタイルがとても好きだ』って話しかけてくれて、そういう風に言ってくれたのがすごいうれしかったんです。チャドはその時もトップで活躍していた選手で、そういう言葉をもらえたのが心にずっと残っていて、チャドが日本に来た時は仲良くさせてもらっています」
チャド「一貴のスタイルは速いし、強いし、すごく大好きだよ。一貴もトップの選手だし、世界一のレベルのファイターだと思っています」
-19年2月のKNOCK OUTに一緒に出場されていましたね
チャド「もうそんなに前になるんですね。その日が僕の初来日でした。とても大変な試合で、ローを効かされて何日間も歩けなかったんですよ。僕が対戦した中で(その日に戦った)不可思が1番タフで、次がペッチでその次が原口で、その3人が自分の中で1番タフなファイターでした。2月だったから試合が終わったら日本でスキーに行きたいって言っていたんだけど、試合が終わったら歩けなくていまだにその夢がかなっていません(笑い)」
-一貴選手がRWSにチャレンジするというニュースはご存じでしたか
チャド「日本のファイターが日本だけではなくて、ONEやRWSもそうですし、世界のプロモーションにいろいろ出て活躍しているのはすごいことだと思います。8月に撫子選手がオーストラリアでWBCの世界タイトルに挑戦して、ルーシーというオーストラリアでも有名な選手に勝ったので日本の選手が海外で活躍しているのは見ていてうれしいです」
-一貴選手は今回RWSに挑戦しますけど、改めて心境をお聞かせください
一貴「だんだんと試合の日が近づいてきて、より一層、気合が入っていますし、今回は特にRWSという大きい大会のタイトルマッチでもあるので、すごく沢山の方が応援してくださっていて期待もしてくれているので『やらないといけない』っていう思いがどんどん強くなっています」
-RISEに参戦する以前はムエタイルールで肘ありなどもやっていましたが、RISEに参戦してからは肘ありのルールでは試合をしていないと思います。ムエタイに挑戦するにあたって苦労していることや試行錯誤していることは
一貴「1番は首相撲だったり肘だったり、今までやってきたRISEルールではないところの部分、ムエタイ特有のルールの練習を強化してやっています。その中で今までRISEで培ってきた部分や成長させてきた部分を出せるように、それこそムエタイルールにもアジャストできるように練習しています」
-ONEやRWSの影響でムエタイでもアグレッシブにいく選手がより有利になってますよね
チャド「そうですね。ただ判定の基準はダメージ重視なので、強い攻撃が1番重要です。だから一貴は前からムエタイもやっているし、1発1発の攻撃が強いから良いと思います。速くて手数だけだとなかなかポイントにならないからね」
-チャド選手自身もRISEに出場している一方で常にムエタイにも挑戦していますが、それぞれルールが違う中で両立させていく秘訣(ひけつ)は
チャド「僕にとっては難しいことではないですね。僕のファイトスタイルは前にガンガン出て強い攻撃を当てるというのが特徴で、それはムエタイでもキックボクシングでも通用するので、肘を出せるか出せないかの違いになります。あとはムエタイの場合はもうちょっと見て的確に当てるという感じなのですが、基本的にはスタイルは変えないので、両方ともにマッチするスタイルだと思っています」
-ガンガン前に出て攻撃を当てるという部分ではチャド選手も一貴選手も同じようなスタイルなので、一貴選手は今回の試合に生かせそうですね。
チャド「5ラウンドでの戦いは散々やっているから問題ないだろうし、逆に5ラウンドで良かったんじゃないかな」
-一貴選手からチャド選手へ質問したいことはありますか
一貴「今回はムエタイなのでRISEルールとムエタイルールの違いがある中で、ポイントを取る上でどういった所を意識した方が良いですかね。どちらかと言うと僕はパンチの方が得意なんですけど、蹴りもどんどん使っていった方がいいのか、それよりもパンチで攻めた方がいいのか教えてほしいです」
チャド「とにかく“最初”に手を出して“最後”に手を出すことを意識して、相手が蹴ってきたら必ず蹴り返すっていうのをやればポイントを取れます。あと、とにかくブレないように重心をしっかりさせて強く当てていくというのが重要です」
-それは相手の攻撃によって体が流されたりしたら、マイナスな印象になるからですか
チャド「そうですね。もしくはスウェーで攻撃をかわしても良いですけど。攻撃で言うとフェイントをかけて前蹴りは、タイ人も真っすぐ立つのでそこに前蹴りから中に入っていくというコンビネーションが効果的なので、毎回使っているし練習しています」
一貴「それ、練習します」
チャド「とにかく一貴のスタイルで戦えば大丈夫だよ」
一貴「分かりました。あとは対戦相手がサウスポーなんですけど、サウスポーの相手とオーソドックスの相手と戦う時に何か意識していることはありますか」
チャド「とにかく右のパンチと右のハイキックを狙った方がいいよ。パンチを出す時に相手がヘッドスリップをするので、そこにハイキックを当てられるといいね」
-おふたりはこれからキャリアのピークを迎えてくると思うのですが今後、目標にしていきたい事とかはありますか
チャド「やっぱりとにかく強い選手と戦いたいです。ぜひRISEとGLORYでユニファイドした新しいベルトを作ってもらって、自分とペッチでそのベルトをかけて戦いたいです。GLORYではペッチもずっと勝っているし、僕は1回ペッチに勝っているので、GLORYとかRISEのベルトじゃなくて両方の新しいベルトでやってもらいたいです。2人とも同い年で昔からムエタイやキックボクシングをやっているし、最初の試合もすごい試合だったし、次の試合も絶対にすごい試合になると思うから、是非その機会を与えてほしいです」
-一貴選手はいかがでしょうか
一貴「とりあえずこのラジャのベルトを巻くという事もそうですし、RISEとしては世界のベルトも持っているのでその防衛もしたいです。そしてこの53キロという階級だと僕が1番強いという所を証明し続けていきたいです。この階級だったら確実に僕が1番だろうと皆んなに言わせられるような試合だったり勝利を持ってこないといけないなと思っています」
チャド「一貴はWBCムエタイのベルトも獲ってね」
一貴「チャドと同じWBCのベルトも獲りたいですね」