今季のセーブ王に輝いたソフトバンク杉山一樹投手(28)が、メジャー挑戦を直訴した。19日、福岡市内の球団事務所で契約交渉…
今季のセーブ王に輝いたソフトバンク杉山一樹投手(28)が、メジャー挑戦を直訴した。19日、福岡市内の球団事務所で契約交渉に臨み、倍増の年俸8000万円で更改。プロ7年目の今シーズンは自己最多の65試合に登板し、交流戦期間中から守護神に抜てきされ、パ・リーグトップとなる31セーブを挙げた。将来的に海外でのプレーを視野に入れていることを明かし、交渉の場で球団側に意向を伝えた。
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杉山が引き締まった表情で大きな野望を口にした。倍増の年俸8000万円でサインを終えた直後の会見。背筋を伸ばし、将来的なメジャー挑戦の希望を明言した。
「自分のパフォーマンスがいい限り…。チャンスがあれば海外に挑戦したい」
胸にとどめていた思いを、はっきりした口調で打ち明けた。海を渡る夢を語るのは、公の場では初めてだ。「アメリカでトライしてみたい気持ちは強いです」。自らの気持ちに迷いはない。約20分間の交渉の席上でフロント側に意向を伝えた。
大きな壁が立ちはだかる。球団方針でポスティングは認められていない。容認した過去が1度もなく、12球団では唯一だ。三笠GMは「今のところ変わる予定はありません」と引き続き認めない姿勢を貫く。杉山も「前例がないので。僕がいきなり破るのも難しい」と理解を示す。海外FA権を行使するにしても、権利取得は順調にいって31年のシーズン中の見込み。「若ければ、若いほどいいと思いますし。難しいですね」。30代半ばでの米挑戦は非現実的と位置づける。
すでに今シーズン中から海外志向を訴え、これまでに対話を重ねてきた。現状は「(話し合いは)平行線ですね」。代理人を立て、来年も継続して話し合いの場で意見交換する予定でいる。「僕の意思と球団の考えと。なるべく穏やかに話していきたい。何点か、僕の方から提案しているので」。詳細は伏せたが、夢実現へ複数プランを用意している。
もちろん来シーズンに目も向けている。今季は自己最多の65試合に登板。パ・リーグトップタイとなる31セーブをマークした。交流戦期間中から守護神に定着。「負けたくないですね」と、クローザーの地位を誰にも譲る気はなく、目標に「防御率0点台」を掲げた。リーグ3連覇、2年連続の日本一へ-。チームのために右腕を振っていくことが大前提としてあるのは間違いない。【佐藤究】
▼ホークス球団からメジャーに挑戦した選手
◆64年 村上雅則が野球留学でジャイアンツに移籍。在籍期間は64~65年。
◆05年 井口資仁が自由契約でホワイトソックスに移籍。在籍期間は05~08年。
◆06年 城島健司がFAでマリナーズに移籍。在籍期間は06~09年。
◆12年 川崎宗則がFAでマリナーズに移籍。在籍期間は12~16年。
◆12年 和田毅がFAでオリオールズに移籍。在籍期間は12~15年。
◆13年 岡島秀樹が自由契約でアスレチックスに移籍。在籍期間は13年のみ。
◆23年 千賀滉大がFAでメッツに移籍。※現在も現役でプレー。