巨人の前2軍監督でオイシックスのCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)に就任した桑田真澄氏(57)が18日、東京ドー…

巨人の前2軍監督でオイシックスのCBO(チーフ・ベースボール・オフィサー)に就任した桑田真澄氏(57)が18日、東京ドームホテルで就任会見を行った。選手育成のキーワードに「サイエンス、バランス、リスペクト」を掲げ、勝利と育成の両立を将来的な目標に設定。主に球団の基盤強化と発展、チーム編成の強化に携わる予定で「桑田イズム」を注入し、“オイシックスメソッド”の構築に尽力する。

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慣れ親しんだ東京ドームが見えるホテルの一室で就任会見に臨んだ桑田CBOは「僕1人が来たから、急に強くなるというわけにはいかないです」と勝負の厳しさを受け止めた上で強く、愛されるチームを作る未来予想図を思い描いた。

「戦力的に見ても非常に苦しいと思いますが、若い球団だからこそ、チームの文化をしっかり作って、育成システムを構築し、選手の強化を短期、中期的にやって、長期的には勝てるチームに育てていきたい」

桑田CBOは「『こうやれ』という指導はしません」と断言。選手育成のキーワードに「サイエンス、バランス、リスペクト」の3つを掲げた。「今、練習したらうまくなるっていう、お守りかなんか知らないんですけど、あるんですよ」と警鐘を鳴らし、「桑田イズム」を唱えた。

「サイエンスからすると、練習、練習、練習はうまくならないんですよね。練習して、栄養を取って、睡眠、休養ですよね。寝てる時に筋肉が再生し、強くなり、練習した技術を脳や神経が覚えていく」

2軍監督を務めた巨人を退団し、ワインや米を作りながら、メジャー視察など充電期間にする予定だったが、熱心なオファーに野球人の魂が燃えたぎった。「新しい挑戦」と決心し、チームにはプロフェッショナルを求める。「選手で言うと高い技術、メディアへの対応、ファンサービス、スポンサーへの対応などができてプロフェッショナル。巨人の選手にも言ってたんです、部活じゃないぞ、プロだぞって」と話した。

将来的な目標に勝利と育成の両立を挙げ、野球界の発展にも視線を向けた。「中学生の競技人口を見ると10年前から6割減。野球は将来、マイナースポーツに陥る可能性が非常に大きいと思っています」と危機感を示しながら、「オイシックスが強くなっていく過程を見ながら、新しいチームが参入してきたりして、野球界の発展につながっていけたら」と覚悟を示した。【久保賢吾】

◆桑田真澄(くわた・ますみ)1968年(昭43)4月1日、大阪府生まれ。PL学園では甲子園に5季連続出場し、1年夏、3年夏に全国制覇。85年ドラフト1位で巨人入団。最優秀防御率2度(87、02年)最多奪三振1度(94年)。87年沢村賞、94年セ・リーグMVP。07年は米大リーグ・パイレーツでプレー。08年3月に現役引退。NPB通算442試合、173勝141敗14セーブ、防御率3・55。21年、1軍投手チーフコーチ補佐で巨人復帰。24年から2軍監督。現役時は174センチ、80キロ。右投げ右打ち。

◆来季のファーム戦 今季までのイースタン、ウエスタン2リーグ制から1リーグ3グループ制に再編される。オイシックスは楽天、ロッテ、ヤクルト、日本ハムとの東グループに、巨人は西武、DeNA、くふうハヤテ、中日との中グループに振り分けられる。異なるグループ同士の交流戦も行われる見通し。